第60章 original〜贖罪篇〜
「五百蔵一族は覗くのが得意と聞きました。覗けばいいじゃあないッスか。」
「覗くんじゃねぇよ。惑わす術だ。霊力の無い俺にはもうできねぇけどな。わかってて言ってんだろ。」
彼の家は特殊能力をもった一族。蓬莱家や鏡山家のように、彼の一族もまた尸魂界で保護されている。
「そうっスね。ま、もうアタシらは尸魂界の地を踏むことはないでしょう。これからどうします?」
「どうするって言ってもな……」
「食さえ確保できれば、魂魄の寿命が尽きるまで生き長らえることはできるッス。」
「……。」
「現世への追放はそれが成された時点で罪への罰として機能する。貴方は罰を受けた。後は償う人生を送ってください。この国は戦後の経済成長と民主化の裏で、貧富の差が急激に開き、大陸の引き揚げや元孤児の浮浪者が社会問題となっている。償いとして出来ることはあるでしょ。貴方がこの世界で贖罪をするというのならばアタシはそれのお手伝いをしましょう。」
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「義骸や現世で暮らす為の面倒な諸々を用意する代わりに罪を償う。悪事を働きそうになれば、全てを返す。そんな契約だったか?」
「覚えていらっしゃるじゃないですか。あの義骸、アタシらのと違って、霊力が戻るようには出来てないんスけど。死神からただの人間の魂魄になる。そんな義骸ッスよ。人間の魂魄と違う点で言えば、少しばかり長寿というところッスかね。そのはずなのに、なんスかその禍々しいモノは。」
「感じるだろう、浦原喜助。これが俺の霊圧だ。」
「霊圧ッスね。確かに。一応弁明は聞きましょう。なんのために、どうやって霊圧を身につけたんスか。」
「尸魂界へ戻るためだ。」
「戻れませんよ。あなたは断界に入ることさえ叶わない。試してみます?」
穿界門を開いてやった。
「お前、許されたのか。」
「貴方、私に嵌められたのかと言ったじゃないッスか。恥ずかしながらその通りっス。しかしながらその張本人が捕まったので、罪その物が無かったことになりました。」
「藍染惣右介か。あの時、俺は隣町にいたんでな。空座町の異変には気付いていた。そうかそういうことだったのか。祝いの言葉をやらねばならんな。」
「そんな言葉よりも、大人しくしていて欲しいッスけどね。穿界門に入ってみてください。尸魂界は貴方を拒絶する。」
