第2章 Prologue:死神
という言葉は飲み込んだ。
「構わん。」
「佐伯大丈夫だ。やってみろ。」
私はお爺さんに向かって手を翳した。
力を手に込めて、タイミングよく力を放った。
お爺さんはびくともしない。
「避けて……え?」
お爺さんが手を翳すと私の力を込めたものが消えた。
辺りに爆風が吹く。
「詠唱破棄の双蓮蒼火墜じゃ。威力も申し分無い。」
「アハハハおもしろい!やはり、ワタシの実験対象に!」
「それはならぬ。……ふむ、なるほど。」
おじいさんは暫く黙り込んだ。
「す、すいませんなんだか思ってたより力が出ちゃって。」
「ここは霊子が充満した世界じゃ。現世よりも力が出て当然のことである。」
「他にできることはあるのか?」
日番谷冬獅郎が問うた。
「バリアが張れます。」
「バリア?」
「……でも攻撃を通しちゃうんです。」
「やってみよ。」
「……はい」
集中して、エネルギーを発すると長方形の透明の壁が現れた。
「これは……縛道八十一【断空】?」
「主、そこから離れよ。」
「あ、はい。」
ゆっくりと立ち上がったお爺さん。
「まさか……総隊長、いくらなんでも…」
お爺さんが掠れた声でゆっくりと呪文を言い出した。
「破道の七十三【双蓮蒼火墜】」
辺りが再び爆風に包まれる。先ほど以上の威力だった。
皆がバリア【断空】を見る。
「詠唱破棄とはいえ総隊長の双蓮蒼火墜を防いだ!?」
透明なバリアはそのままの形で残っていた。
「本気ではないが決して手加減はしておらぬ。」
「は、初めてバリアとして機能しました……」
「断空は八十九番以下の鬼道を完全に無効化する技だ。物理攻撃には効かない。」
老人は大きくため息をついた。
「……これは惜しいのう。お主が尸魂界の者であればすぐさま死神として訓練を受けさせたい所ではあるが」
「あ、そう言えば。私、幽体離脱できます。」
「幽体離脱?」
「でも自分の意思じゃ出来なくて。たまに、肉体から抜けちゃうんですよ。」
「肉体と魂魄が離れやすい体質の人間は稀にいると報告はあるがネ。」
「至急ソウルキャンディを用意せよ。」
「は。」
紳士風の男性はその場から出ていき、すぐに戻ってきた