第2章 Prologue:死神
「ソウルキャンディです。」
「口に含め」
大人しく渡されたものを口にいれた。
「うわっ」
身体と魂が離れる感覚があった。
「幽体離脱できた!」
「っておま、因果の鎖が!!!」
「鎖?」
冬獅郎が慌て始める。
「普通はここに因果の鎖があるんだ。肉体と繋がっているもんなんだ。」
「そんなもの、無かったですよ。」
「は?」
「……義骸ではないネ。れっきとした肉体だョ。」
自分の肉体が動き回っている。
「え、やだなんで動いてるの!?」
冬獅郎がソウルキャンディについて説明した。
「はて、どうしたものか。」
「涅、因果の鎖が無いのに肉体に戻れるなんてことあるのか?」
「記録には無いネ。この状態の小娘はワタシ達と同じ状態だョ。非常に興味深い。」
またも沈黙が訪れた。
「……お主、死神になる気はないか?」
「総隊長!!」
「死神、ですか?」
「安心せい、今の生活も保証しよう。生きた死神になるのじゃ。その力、無駄にするのは非常に惜しい。」
「…でも……」
「1日考えよ。」
その後、死神とはなんたるかを1日かけて説明され、和室の部屋に寝床を用意された。
「あんた、死神になるでしょ?」
乱菊さんがばんっと入ってきた。
「わからないですよ……なんだか頭がパンクして……」
「いいじゃない、素質あるんだし。それに現世での生活も保証してくれるんでしょ?アルバイト気分でやればいいじゃないの。」
「だって……死んだらどうするんですか」
「うーんそうねぇ……」
乱菊は考え込むように言った
「素質あるわよ。【双蓮蒼火墜】、【断空】詠唱破棄。威力も強い。きっと他にも使える鬼道あるんじゃない?」
「ええ、でもあの技が一番威力があるっていうか。」
「そもそも、あたし達は『隊長格と同等の霊圧の発生源の調査』で現世に派遣されたのよ。死神にならなきゃ損よ。」
バタバタと足音が聞こえ、冬獅郎が入ってきた。
「松本!ここにいたのか!」
「隊長~!!女の子の部屋開ける時はノックしなきゃ!」
「戻るぞ。報告書が山ほどある。」
「はーい。ポインティ、その才能、無駄にしちゃだめよ?」
乱菊はウインクして部屋を出た。
どうしてだろう。ここへ来てからなぜか体が軽く息がしやすい。それにこの場所にどこか懐かしさを覚えて居心地が良いと感じた。
「誰かに相談したい……」
