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【BLEACH】

第59章 original〜魂魄の底〜


そう思うと途端に楽しいと思う気持ちが消えて、帰りたいと思った。あの服が欲しい。私もあんなのを着たい。これも夜一さんのお下がりで、一番良い状態のものを着てきたけれど、やっぱり新品の流行りの、趣のあるものを着たい。

幼い私にはその心の感情の整理が出来なかった。

「ポインティ?どうしたんッスか?」
「なんでもない」
「具合でも悪いッスか?」
「ほっといてよ!」

思わず飛び出してしまった。夜一さんの家はよく来ていたから、勝手は知っている。人の少ないところに行って誕生会が終わるのを待っていた。

暫くして眠っていたらしい私は喜助さんによって起こされた。まだそんなに時間は経ってないらしい。

「夜一さん、」

いつもの軽装に着替えた夜一さんがニヤニヤしていた。

「お前の寝顔この機械で捉えたぞ!」
「えっ?!」
「カメラと言うのじゃ。ほれ!」

カシャと取られて呆気にとられていると喜助さんが優しく声をかけた。

「疲れた?」
「……。」

話したくないから話さない。大げさに口を紡いでみた。

「なんじゃ、わかりやすいの。不貞腐れておる。」
「あれだけ夜一さんの誕生会楽しみにしてたのに。どうしちゃったんスか。」
「なんでもないって!」

夜一さんが軽装になっても、宴会場には蓬莱家のお姉さんもいる。自分の劣等感と醜い羨望は止まらないだろう。

「お、ポインティ。お主身長伸びたか?」

夜一さんが私の足元を見た。確かに着物の裾が短くなってはいる。

「気付かなんだ。もっと早くに気付くべきだったな。お前がいつか着る時の為にと儂がまだ幼かった頃の衣類は残しておる。お下がりで悪いが、ポインティの気に入ったものを持っていくと良いぞ。」

夜一さんはそう言って、後で欅の間に来いと行って走っていった。暫くして、欅の間に行くと衣装箱から出された着物がずらりと並んでいた。

「お主の身長に合うものを並べておいた。どれも殆ど着とらん。儂は身軽なものを好んでいたから、宴や集会の時にしか着なんだ。好きなものを好きなだけ持っていくと良い。」
「せっかくの誕生会なのに、ポインティの方が贈り物を頂くなんて、」
「よいよい、喜助。この着物も着てくれる者の所へ行くべきじゃ。」
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