第12章 暗殺事件
ギン隊長は口角をあげた。しかし、瞳は悲しそうな眼差しで、それを見て腕の力を抜いた
「怖くないですよ」
吐息がかかる近さでギン隊長は動きを止めた
「怖くないです」
「受け入れるって意味?」
「違います。ギン隊長は本心から私を襲おうとは思ってないはずです。だから怖くないんです。」
ギン隊長が私から退いた。私の上体を起こすように手を添える。
「君はやっぱり面白いなぁ…」
ふいにギン隊長の冷たい手が私の手を取り握った
「心許してない男にこんなんされたら、声上げなあかんよ。」
「心許してはいますよ。優しいお兄さんって感じがします。」
「僕は君が思うような男やない。君に慕われる資格もない。君を傷つけるだけや。」
すると私の拳を握ってギン隊長の唇へ触れさせた。
「どうしてそういうこと言うんですか」
「僕のこと、慕うのはやめといたほうがええよ」
普段本心が見えない人だが、これは本心であると誰がみてもわかる。いつものギン隊長じゃないのは、やはり藍染隊長の死去が関係あるのだろうか。色々考えていたら返す言葉がなかった。
「せめてポインティちゃんの隊長羽織姿、見てから行きたかったんやけどなぁ。」
「どこかに行かれるんですか?」
その問いに答える事はなく、ギン隊長は扉を開けた。
「もう帰り。旅禍がどこに隠れてるかも分からへん。」
今すぐ帰れ、とその言葉の裏に隠れているのを感じ取った。私はそれに従う。
「ありがとう。」
そういうと扉を閉めた。
あれは何だったのだろう。
胸騒ぎがする。
もう一度扉を開くと部屋にギン隊長はいなかった。
代わりに向こう側の窓が空いている。
私は彼を探すために周辺を歩いた。