第12章 暗殺事件
「この霊圧は……冬獅郎?」
冬獅郎の霊圧が大きく跳ね上がった。この感じ、恐らく卍解だろう。
「ギン隊長もいる」
拘置されていたはずの吉良副隊長や雛森さんもいる。乱菊さんも近くにいるようだ。
私が到着した時、その場には冬獅郎、乱菊さん、倒れた雛森さんしかいなかった。
「冬獅郎!」
「藍染を殺ったのも、雛森を傷つけたのも、全て市丸の仕業だ。しかし、藍染は一連の事件の犯人は俺だと、雛森に置き手紙を残してた。これは奴の偽装だろう」
冬獅郎の言葉に耳を疑った。乱菊さんを見ると、険しい顔で一点を見つめている。
「証拠はあるんですか。」
「これから見つける。」
「市丸隊長が藍染隊長を殺す?そんなわけないです。」
『その隊長格が藍染隊長を殺しはったんならどうする?』
頭に過ぎったさっきの言葉
「…市丸隊長を追います。」
「おい!ポインティ!」
ギン隊長の霊圧を感知して、すぐに追いつくことができた。
「貴女は……」
「なんやさっきお別れしたはずやけど?」
「市丸隊長、話があります。」
ふぅ、と ため息をつくと、吉良副隊長に離れるように指示した。
「で、話って?さっき充分話したやろ?」
「冬獅郎が、藍染隊長を殺したのはギン隊長だって。」
「僕、疑われてるみたいや。証拠あるんかな。」
手を広げるような仕草をする。絶対ギン隊長はしてない。藍染隊長を殺してなんてない。
「なんで違うって言わないんですか。僕はしてないって言わないんですか。」
「それ、僕が言うたところで十番隊隊長さんが信じると思う?」
「ちゃんと否定すれば信じてくれるはずです。」
「ほな、君は?僕のこと信じられる?」
「信じます。」
「口で言う事は誰でもできる。僕だって『してません』って言うことなんて容易い御用やで。」
「ギン隊長、本当のことを言ってください。殺してないんですよね?私は信じます。」
「殺したって言ったらどうすんの?見逃してくれるわけ?」
「理由を聞きます。きっとそうせざるを得ない事情があったはずだから。」
「さっきも言うたけどな、僕、君が思うてるような男とちゃうんやで。」
心臓がドキドキする。
信じたいのに、もしものことがあったら。
「ポインティちゃんの心臓の音、ここまで聞こえてくるわ。」
ギン隊長はふっと笑った。