第58章 original〜五月晴れ〜
ズカズカと担任が私の目の前にやってきた。
「えっ、なんです?」
ぐっと私の右腕を掴んだ。
「ポインティ、お前部活入らず放課後何をしているかと思ってたんだが……殺陣を習っていたのならはよ言え!」
「ふぁ?」
「素人があそこまで腰を落とした抜刀ができるか!あの人を見切る瞳、呼吸法まで。俺の目はごまかせんぞ!」
「ははは」
どうにでもなれ
「男子剣道部!そうだな、鈴木!お前このシーンの太刀をひたすら受けてくれ!」
「はい!」
「木刀は両手で構えておけよ!」
「はい!」
一度殺陣を見せろとのことだった。
もういいや、ちょうど放課後何してんだとか、やたら忙しそうだからバイトしてんじゃないかとか目をつけられてたそうだから、殺陣習ってることにでもしとこう。
その場で殺陣を見せた。剣道部の鈴木君は最後には尻もちをついてしまった。
「素晴らしい!!!素晴らしい!!!!このシーンは変更だ!というか、大須賀の殺陣のシーンを増やすぞ!」
「えっえっあっ!先生その代わり、セリフ減らしてください!」
「そうだな、セリフを減らす代わりに殺陣はしてもらうぞ!」
文化祭4日前にして急遽書き換えられた台本。
セリフはだいぶ削られたが殺陣のシーンが増えてしまった。しかもほとんどが自由に動いていいとかなんとか。私の刀を受け止められる人が居ないんで、エアーらしい。
「この刀軽いからついついいつもの感覚でやるとね。」
「殺陣習ってたの知らなかったなァ」
「なーなーみ!面白がってるでしょ。」
「おもしろいよ!あんなに殺陣が上手いなんて知らなかったもん!」
「嫌でも上手くなるわよ。」
文化祭にむけての練習は順調に進んでいった。
そして本番を迎える。