第58章 original〜五月晴れ〜
髪の毛を乾かしたあと、居間の方へと行くと喜助さんが庭に面した縁側に座っていた。
「あぁポインティサン、貴女の好きな生姜入の紅茶を置いてます。お湯もできてるので入れてくださいね。」
「レモンの蜂蜜漬けも欲しいところね。保存効くし作ってみるか。」
そんなこと言いながら100均で揃えたマグカップに紅茶を入れて、喜助さんに声をかけた。
「ご飯は食べてく?」
「アタシは結構ッス。」
「うーん、こっち来るの不定期だし買いだめできないのが難点。スーパーとか無いからお買い物しようと思えば八百屋とか肉屋魚屋を行き来しないといけないのがここ不便よね。冷凍食品も買ってくるか。喜助さんも食べていいからね。本当はちゃんと作ったもの食べた方がいいのかもしれないけど。」
などと言いながら、晩御飯に出来そうなものを冷蔵庫から漁った。
「味噌しかない。まぁいいか、お腹空いたら適当にしよ。」
そう言って縁側に向かおうとすると、喜助さんが立ち上がった。
「雨、止んだんでちょっと出るッス。」
「今から?どこに?」
「志波空鶴サンのところに。頼まれ事をされてまして。」
そう言って大きな機材を抱えて行った。
「いやいや、でかいじゃん。そんなの一人で運んだら危ないって。地面ぬかるんでるし。」
「台車に乗せて固定するんで問題ないッスよ。」
「水溜まりばっかだよ!?それに志波空鶴さんの家ってちょっと歩くよ??行ったことないけど。趣味の悪いオブジェがあるところよね?私もついてくよ。」
「シャワーに入ったばかりなんスよ?湯冷めして風邪でもひかれたらたまったもんじゃないッスよ。」
「……わかった。喜助さんも帰ったらシャワー入りなね。今日現世へ帰る帰らないにしても泥だらけにはなるだろうし。その間、味噌汁作っとくよ。そのくらいなら食べるでしょ?」
「ではお言葉に甘えて。」