第58章 original〜五月晴れ〜
「ここは好きに使っていいからな。お前の好きなようにすれば良い。」
「ありがとう。そうだ、現世のお茶いれましょうか?フレーバーティーは好きですか?コーヒーもさっき買ってきたのでありますよ。」
「お主の好きなほうを頂くとしようかのう。」
「じゃ、フレーバーティーですね。アイスにしましょう。夜一さん、猫舌なので。」
買ったばかりのケトルで沸かしたお湯を入れる。100均でかったティーポットにティーパックをセットした。
「旬のさくらんぼとメロンの紅茶いれますね!」
甘い香りが鼻の奥を擽る。氷を入れてシロップを添えて、夜一さんに渡した。
「夜一さんは最近何をされてるのですか?」
「儂か?うちに呼び出されて雑用よ。一応無罪放免ということになったからな。ま、きままにやっておるわ。」
「護廷隊士に戻りたいって思わない?」
「一度離れて肩の荷がおりた。儂は元来そういうの向きじゃない。自由な身が一番よ。」
「死覇装姿の夜一さんももう一回見たいけどなぁ。」
「儂は、お主の死覇装姿が見られて嬉しいぞ。活躍ぶりを見ると儂の目に狂いはなかったようじゃ。」
「夜一さんずっとスカウトしてくれてたもんね。でもほら、あの時はそれなりに考えがあったんだよ。」
「わかっておる。だから、喜助と再び出会えたんじゃ。」
フレーバーティーを一口飲む。さっぱりとした風味と少しの苦味が口内に広がった。
「今考えると、あのとき死神になってても、こういう未来があるなら喜助さんとはどちらにせよ再会できたよね。」
「今と全く同じ未来であったらな。しかし、そうなるとは限らんじゃろう。」
「もし、私が……死神にならずとも尸魂界に、この家に居て待ってたら、蓮美のままで喜助さんと再会できたのかもしれないのよね。」
「それも、そうなるとは限らぬ。今のお主の力無ければ、現在は無かったかもしれん、そうじゃろ?」
「私、たいしたことしてないって。」