第58章 original〜五月晴れ〜
「ポインティ、久しぶりじゃの。」
「夜一さん!久しぶりです!」
「どうじゃ、隊長の仕事は。」
「ぼちぼちですなぁ。」
「それでよい。」
「珍しいですね、ここに来るなんて。」
今日は尸魂界の四楓院家の別邸へと来ている。事実上私の家だ。夜一さんは裏山、これまた四楓院家のものなのだがそちらを臨む庭の方から入ってきた。彼女はいつもこの場所から入ってくる。
「何を言う、ここは儂の敷地だぞ。」
「はは、確かに。ていうか前から気になってたんですけど、なんで流魂街に四楓院家の私有地があるんです?」
「先先々代の当主がこの裏山の四季折の花を気に入ってな。所謂別荘というやつじゃ。」
「確かに、自然豊かですよね。この山。奥にある川も綺麗ですし。」
「じゃが、その当主の死亡後、今の当主にいたるまでここをそこまで重宝した者がおらんのだ。たまに隠密機動の訓練所として使うくらいで、この屋敷も空き家だった。それをお前らに貸しておったんじゃ。家主がいない家は寂れるからな。」
「今もご厚意で貸して頂いて嬉しいです。」
夜一さんがちらっと中を見た。
「随分と生活感がでてきたな。」
久しぶりにここに来た時は、ホコリだらけで老朽化した家具もあったり、喜助さんの研究資料が散らかされてたりした。いったん家にある全てのものを運び出して大掃除をした。その後、使えそうな家具が僅かにあったのでそれらを戻してあとは廃棄。喜助さんが研究道具とか資料とかを入れてここでも研究できるようにした。それ以降私は全く触っていなくて、布団すらも無かったのだ。それを今、少しづつ過ごしやすいように改装中だ。
「小さいけど冷蔵庫とか、電子レンジ、炊飯器、調理器具、掃除機、洗濯機、あと空調。生活できるようにはしたよ。私の部屋も前の掃除の時にもぬけの殻にしちゃったからさ、物置いてるんだ。とりあえずヨギボーおいたの。」
「人を怠惰にする座椅子か!」
「そうそう!買ったはいいけど、実家に置いたらそんなお金どこで?!ってなるし、隊首室置いたら仕事できなくなるからここがいいかなって。」