第57章 完現術篇 結
「ではアタシのところで様子みましょう。怪我もされてるようですし。」
「私はここで自分の部下の指揮をとりまーす。」
「治癒能力のある方は?」
「私合わせなければ2人かな。」
「かしこまりました。では、アタシ達はとりあえず彼らを運ぶとしますか。」
戦況を見てはいたが、私は何もしなくても良さそうだ。
人避けと周囲に危害の及ばないように周回する。間もなく一つの霊圧が消え、また消え、そして残るのも消えた。
敵陣は事実上降伏となり、抵抗しないため怪我の治療をすることにした。
「その方たちもうちへ運んでくださいッス。」
「じゃみんな、浦原商店に。隊長さんたちの傷の手当は間に合ってる?」
「はい、応急処置は済みました。」
地獄蝶が舞う。私に帰還命令が出た。報告のためだろう。死んだ彼らは尸魂界へと送られる。魂は無作為に各地へ流されるため、手当り次第探して監視下に置くことになる。それにあたっての準備が必要なのだろう。
時は緩やかに流れた。
死亡した敵側3名の捜索は未だ続いている。ついでに私は流魂街に戸籍を設けることを勧めておいた。たしか墾田永年私財法だとかあのへんの時代には戸籍の概念があったのだから、この尸魂界でできないはずがない。
「あなたがたは、今後、尸魂界や現世の危険分子ではないことが認められるまで監視下におかれます。担当するのは一番隊です。」
「はぁー?なにそれ!誰に許可を得てそんなことするわけ!」
「あんたほんと性格悪いよね。『秀さん』なんて言ってずっと僕ら騙してさ。その上、監視?冗談じゃない。」
「安心してください。隊長の配慮により人権は尊重します。他の隊ならそんなの無視だったので、うちでよかったと思ってください。」
レンが彼らに説明を行う。
「……ということです。普通に生活をされていればこちらも何もしません。」
「ただ、今度少しでも怪しい動きをしたら一番隊が処理する許可を得ているから本当に本当に本当に気をつけてください!」
こうして完現術という未知の力を宿す人間とのいざこざは解消された。一安心、てやつかな。