第56章 完現術篇 転
浮竹隊長は私に死神代行証について語り始めた。
曰く、それは死神代行を監視制御する者だと。所持者の霊力を吸収し分析するものだと。
「まぁ仕方ないとは思います。私はおかしいとは思いませんよ。」
『君は死神代行という立場ではない。本質的には黒崎一護と変わらないのだが、君の魂魄が100%の純度で蓮美のものであるという分析結果が出たからだ。彼女は真央霊術院に入学しなかった為に死神ではなかったが、その素質と力は持っていたことは周知であった。そのため、君を死神として認めた。……とはいえ、もしかしたら死神代行であったかもしれないのに、飲み込みが早いんだな。』
「隊長ですよ?もうそろそろ護廷十三隊が考えそうなこともわかります。これ、もしかして皆さんご存知なことですか?」
『知っている者は知っている。』
「私が死神代行だったとしても、それを知ったとて何も思いません。」
『黒崎一護はどうかな?』
「メンタルブレイクなうなので、どうでしょうね。でも、彼はそういうのをバネにして力をつけてきたので……」
彼は絶望や逆境を乗り越えて、その勢いを力にしてきた。私のことまで調べていたXCUTIONという組織のことだ。きっとそんなのわかっているはず。
じゃあ一護の精神崩壊は余興でも戦意を削ぐ為でもない。彼の力を引き出すためか!
「浮竹さん、それだけですか?」
『え、?あぁ、あぁ。』
「誰がどこで聞いてるかわからんので、伏せますが相手の考えていることが繋がった気がします。」
『なんだって?』
「上手く立ち回ります。どうせ護廷十三隊は彼らを捕らえる名目で、尸魂界の恩人の一護を護りに来るんでしょう。なら、細かいことは今言う必要無いですね」
『報告書には書いておけよ。』
「はい。では。」
死神代行には完現術の受け渡しが可能か。だったら実質死神代行と同位である私でも可能なんじゃ?ってことは、私が狙われてたんかもしれん?!こわー!
いやいやふざけてないで。しっかりやれ。
頭をブルブルと振って息を吐く。
敵の狙いは一護の完現術。逆境を乗り越える力で極限まで高めた完現術を奪うのだろう。