第56章 完現術篇 転
さて。さて。さて。
おっと、一護と銀城空吾は合流しているな。そんで、XCUTIONのメンバーの一人がそちらに向かってる。
今日がこの戦いの終焉か。
さて、どうなるかな。
「織姫さん?あのね、秀さんがパーティしよって。一護の力が戻ったからかな?うんうん、今、町立公園にいるから。そこからは案内する。うん、待ってる!」
ひとつため息をしてチャドさんに連絡を入れる。
「チャドさん、一護の霊力戻ったお祝いしよって、秀さんが計画たててくれてるの。うん、今日だよ。いける?よかった。じゃ宜しくね!町立公園で待ってる!」
多分30分しないうちに来るはずだ。
さて、一人になれたし、整理していこう。
彼らにとって、心の中心にあるのは月島秀九郎という男。黒崎一護を中心にして巡り会ったはずなのに、その立場に月島秀九郎がいる。もしくは自分にとって重要な人物になりかわっている。皆にとって恩人であり仲間であり友であり、家族のような情をもつ者。
黒崎一護は恩人を罵倒し、殴り掛かった。
仲間思いな彼らが、それを許すはずがなかった。
「一護!あんた何してんだよ!」
「いいから謝れ!!」
「お兄ちゃん」
「どうしたの」
「本当に」
「おかしいぞ」
「お前」
「一護」
などと言われたんだろう。それで逃げ出したということは、かなり精神がやられてるだろうな。
さて。なぜそんな回りくどいことをする必要があるのか。一護の力を奪うために、力を取り戻させたこれが正しければ、銀城空吾ははじめから敵だ。あのXCUTIONのメンバーは仲間という記憶を植え付けられたのではなく、元から仲間だった。一護に信用されるために、偽の記憶を挟ませたとするならば。
ヒラヒラと黒い蝶が私の周りを飛んでいる。指に乗せると聞こえてきたのは浮竹隊長の声だった。
『浮竹だ。今、ひとりかな。』
「はい。」
『君に話さなければならないことがある。』
「この状況下でということは今伝える必要があるということですね。」
『周囲には気を付けてくれ。』
「大丈夫です。」