第56章 完現術篇 転
じぃ先生たちは尸魂界への復讐ではないか、と。何か腑に落ちない。なんでかな。
一護に能力を渡すと言ってたけれど、奪うことが目的なら?
あぁぁ 頭が足りん!
立ち止まって大きなため息を一つ。
「ため息すると幸せが逃げるっていうよ?」
声がした方、路地裏から屋根を見上げるのは月島秀九郎だ。
「秀さん!」
「やぁ。困りごとかな。」
「うーん、大したことじゃない。」
「さっき銀城と会ったよね?」
水月ぅぅぅぅちょっとちょっとどうしよ!
『白波になってます、心を落ち着けてください。相手に悟られますよ。』
「そう、織姫さんの霊圧探ったら銀城って人がいたの。」
「君の霊圧が彼らのところに向いたのは気付いてたよ。銀城たちに何かいわれたのかい?」
「なんか訳わかんないこと言われた。月島とは関わるな的なこと。」
「それで?」
「そんなのできるはずないよ!秀さんと私はずっと昔からの仲なんだよ。なんでそんなこと言われるのかわからない。」
「そうだね。銀城や、XCUTION。それに……もう井上織姫や茶渡泰虎、黒崎一護とは関わらない方がいい。」
「え?」
「君は僕の言葉を信じてくれるんだろ?君にとって僕はどういう存在だった?」
「たいせつな、ひと。」
「だったら言うこと聞けるね?」
「うん。」
そう言うと、月島秀九郎は私のことを抱きしめた。
「僕も君のことを愛してるよ。」
淡々としたその言葉に魂は宿っていない。脳内を侵食するその情は黒いものだった。
「……っ!」
待ってやばい
喜助さんがそばにいるよ!!!!!!
ってか、えっ、どこ?どこにいる?わからん、月島秀九郎の胸しか見えない。真っ暗。
『ポインティ様!気持ちは分かりますが抑えて!浦原殿にはあとで説明しましょう。心の波が津波状態です。落ち着いてください!』
水月の声が冬の波のように荒々しく迫る。わかってる、わかってるけど!!!!
「どうかした?」
「えっ、と 」
「僕のこと、愛してないのかな?ポインティ」
「……」
背中に何か当てられている気がした。紙?のようなものだと思う。だけどそれは意図されてあてがわれてる。ここで間違えると全てが台無しだ。
「愛してなかったら、秀さんの隣をいつまでも歩いてたいなんて言わないよ。」
彼の背中に腕を回した。