第55章 完現術篇 序
「一護の霊圧……?」
『黒崎一護の霊圧で間違いない、で、ス。』
花月もぽかんと口を開けてきょとんとしてきる。
「妹ちゃんのじゃないよね?」
『黒崎一護の霊力です!私、吸ったことありますもん!』
「霊力が戻ったの?突然?」
『いや、恐らく数日前から霊力が戻っていると思います。彼の家の辺りに霊子残痕を確認しました。』
「うっそん……。え、何してるの?てか、もうひとつ霊力感じる気がする。これ戦ってない?」
何かに妨害されているような感じでハッキリと感じないのだが、僅かに触れることのできる霊圧の荒々しさ、刺々しさは戦闘時特有のものだ。対戦相手の霊圧を私は知らない。
『虚でも破面でもないですね。該当する霊圧がないです。知らないことがわかったってことが収穫です!』
「ソクラテスか。方角は分かるけど、場所が曖昧だわ。強い殺気を感じないから、これ、修行だよなぁ。」
『そんなこともわかるんですか?』
「リンに鏡でみれるか聞いてみよー」
リンは時間をかければいけるがまず自分が現世にいることが条件であるし、レンと力を合わせても早くても1日はかかりそうとのこと。
「それなら別にいいや。駐在任務の隊員にあの辺の見張り行ってもらおう。まぁ多分、余程感知能力高くないとこれわからんだろうけどな。」
刹那、一護の霊圧を感じた方向から爆発音と熱風が起こった。
その直後から、一護の霊圧がクリアになった。これは行くしかない。
瞬歩で1分ほどすれば着くだろう。廃墟ビルの下には野次馬がいた。その中で感じる一護の霊圧、そしてチャドさんの霊圧、さらに複数の人間の霊圧。
『月島秀九郎もいます。あの中には入らない方がいいです。』
「深入り厳禁て言われてるものね。……キリちゃん?見つけたわ。住所送るからすぐに派遣して。」
調査隊を呼び、遠くから中の様子を伺った。
中にいる人間全員、霊力を有している。一護も霊力を纏い、死神ではない、何かの力を宿していた。
よくよく観察すると、黒髪の男がネックレスを大剣に変化させているのが見えた。あれはまるで織姫さんのヘアピンのようだ。それに気がついた時、一護の霊力の元になっているものが"効果の失った死神代行証"であるとわかった。