第55章 完現術篇 序
色んな考えが頭を滑っていく。長く隊を空けていたからか、頭が回らない。
織姫さんに話を聞きに行く、チャドさんの様子を見に行く、今日中にそれが出来ればいいだろう。それから2人の身辺を部下たちに警護させる。あぁでもそれも人数さくことだからいいのかなぁ。こんな判断で。
織姫さんの家はまだ明かりがついていた。家の前まで向かっていると、人の気配を感じて辺りを見渡した。
「こんな遅い時間まで仕事かな?」
アパートの鉄格子に降り立ったのは月島秀九郎。
『気をつけてください。悟られぬように。』
水月が忠告してくれた。大きく息を吐いた。
「織姫さんが誰かに襲われたかもしれないって、石田さんに聞いたの。一番隊として、それが事実で、霊的な事象なら調査しなければならないから。」
「へぇ。織姫が?でも彼女、元気そうに見えたけれど。」
脈が速くなる。落ち着け、悟られるな。
「今日、一緒にお茶したけどそんな様子なかったからこそ気になったのだけれど、貴方がそういうなら、思い違いなのかもしれないわね。」
そう言って私は鉄格子に凭れた。彼に背中を見せる形だ。
「前髪、割れてるし!はぁぁ、熱いシャワー浴びたい。」
鏡を出して髪の毛を触る。不自然にならぬよう月島秀九郎をその鏡にうつした。
「秀さんは何をしていたの?」
「雨竜を襲ったやつの調査だよ。」
「なにか情報掴んだ?」
「さっぱりだね。」
「そう。何かあればまた教えてね。……リン!そっち転送して!」
鏡の中に吸い込まれる。
出た先は浦原商店の2階。尸魂界じゃないことに驚いた。
『隊長!尸魂界への転送は時間かかるんです!!浦原商店へ飛ばしときました!いや、これもなかなか高度なんですけどね!!ていうか!びっくりしましたよ!!!あれが月島秀九郎ですか?!』
「見えた?」
『まぁまぁ見えました!鏡の映像を元に月島秀九郎の似顔絵的なサムシングを作ってもらうようにレミリアちゃんに言いますね!』
「近くにレンいる?」
『家なのでいます。』
「じゃ、二人で聞いてもらえる?ちょっとキリちゃんとも合流するわ。」