第55章 完現術篇 序
勉強部屋で織姫さんと向かい合う。
「新しい技の完成度を上げたいの!」
「どんな技?」
「防御と迎撃を兼ね揃えたものだ、って椿くんが言ってたなぁ。」
「防御しながら攻撃できるなんて凄いじゃないですか!」
「でもね、実戦ではあまり使ってないんだ。ポインティちゃん、遠慮なく私に攻撃してきて欲しいの!実戦でも使えるように!」
彼女の言葉に沿う旨を告げ、斬魄刀を手にした。とはいえ、正直なところ彼女の言葉通りにしてしまうと、尸魂界送りになってしまうので、始解をしない斬魄刀での打撃、番号の低いかつ抑えた鬼道で彼女と実戦を模したお稽古をした。
「織姫さんは、霊力の扱いが上手だから攻撃源、威力さえ瞬時に判断出来れば、実戦でかなり役にたつ技だと思うよ。」
「それってつまり瞬発力かなぁ。」
「そうですね。でも、人間が鍛えられる瞬発力には限度があるので……。瞬発力と霊力の感知スピードを上げること、それからなによりも経験を積むことが大事だなと思います。」
「そっかぁ。まだまだだなぁ。」
「それでも、織姫さんかなり良い感じに動けていますよ!」
「そうかなぁ?」
「虚くらいなら一人でも倒せるでしょ?それでOKですよ!大虚とか出てきたら、うちの隊は勿論、チャドさんや石田雨竜さんだっているじゃないですか。私の立場で滅却師をあてにするのはちょっとだめなんですけどね。」
そう言って笑うと、織姫さんから笑顔が消えた。
「石田くんね、怪我……しちゃったの。」
「えっ?」
「入院してるの。」
怪我で入院?虚にやられたとでもいうのか?でも、彼の力はそんなにヤワじゃないし、破面とも戦ってきたんだから、よっぽどでないと、負けるはずはない。喜助さんはこのことを知っているのだろうか。
「虚?」
「石田くんのお父さんは傷口に残っていた霊圧は虚のものじゃないって言ってたの。」
「まさか死神?」
「ううん!そうとも言ってなかった!石田くんも話せることはないって、何もわからないらしい。」
何もわからない、得体の知れないなにか、きっとそれは霊的なものなんだろう。尸魂界が認知していないなにかに襲われたというのか。
「だから、お稽古したいって、声掛けたのですね。」
「ごめんね!先にいえば良かった!石田くんのこと知らなかったんだね。」