第55章 完現術篇 序
ルキアと接触して崩玉が願い叶えちゃった説はかなり有効だ。
思えば、織姫さんの能力はあのピンを媒介としたものだ。彼の刀が媒介となる不思議な力を得たとしたら。
そういうことならば、むしろ接触してあげることで力の使い方を教えたり、我々の存在を知らせて仲間にした方がいいのではないか。
「監視はせよ調査はするな、かぁ。んー。」
「いいわ、この件。私とあなたたちだけで調べましょ。」
「おっ、復帰早々命令違反ですか!」
「得体の知れない者を部下に監視させられないよ。」
「一理ありますね。では、隊長はもし、月島秀九郎に出会っても、記憶が戻ったことは言わない方が良いでしょう。気付いていなければの話ですけど。」
「適当に話合わせる必要があるからね。また寄ってくるかなぁ。そんときには何か痕跡残したいね。」
「尸魂界のことは僕らに任せて、隊長は現世に行ってきてください。」
レンの言葉に私は穿界門へと向かった。
「一番隊隊長だ、お通ししろー!」
穿界門が開かれて、断界を進む。
たどり着いた場所は現世の拠点の一つ、浦原商店。
「あっ」
「あ」
仕入れから帰宅して、荷降ろしをしている喜助さんがいた。
「……っと、テッサイさん、倉庫まで俺たちで運んどこーぜ。」
「そうですな。」
「あの、えぇと、私荷車をしまってきます……。」
気を利かせなくていいんですよー!!!!やめて!ここに居て!
「どーもっス、急に居なくなるんで、心配したっスよ?」
「えぇと、あの、任務協力ありがとうございます。」
だめだー、これ怒ってるわ。怒ってるわー。絶対怒ってるわーーーー。
「あっ!いたいた!ポインティちゃーん!」
この声は織姫さんだ。手を振りながらこちらに走ってくる。
「浦原さんもこんにちは!」
「どーもっス。」
「あのね、あのね!ポインティちゃんにお願いがあるんだ!」
「お願い?」
「ふたつ!」
彼女は頭を下げてこう言った。
駅前のカフェのバケツパフェを今から食べに行くこと。勿論奢り。
そしてその後、戦闘訓練に付き合って欲しいとのこと。
「たつきちゃんと行く約束して、バケツパフェ予約したんだけど、うっかりして、日付1週間間違えたんだぁ。たつきちゃんは今週末試合だから減量中だっていうし。他の子も誘ったんだけど都合悪くて。」