第55章 完現術篇 序
「よいしょぉ〜!」
隊首室内の姿見からリンが顔を出した。そしてレンを見つけてぎょっとした顔をした。
「リン!隊首室に入室したい時はそこの鏡じゃなくて外に設置した鏡か、外の窓かからにしようって決めたの忘れたの?ノックもせず部屋に入ることより失礼だよ。」
「ごめんなさーい。以後気をつけまーす!」
「早く入ってきたら?」
リンはコンコンと口で言って失礼します!と元気よく入室した。
「今、捜索隊と監視隊の会議が終わったと報告を受けました!」
「そう。ありがとう。下がっていいわ。」
と言うと、リンはコーヒーをいれだした。
「いやぁ、隊長の部下でよかったですよ〜。こうして珍しい現世のものが手に入るんですから。」
「リンってば、」
「レンも飲んでるじゃん!」
「そうだけど……。」
「私がいれたのよ。リン、隊首室の扉の所に『会議中』のプレートつけてくれる?それからお菓子の棚の中から好きな茶請け選んで。」
「さっすが隊長♪」
隊長副隊長でこの忙しいときにお茶会してるなんてバレるの良くないからね。まぁこれからレンの話聞くし、ある種会議ではある。嘘じゃない。
「レン、さっきの続きして。」
「えと、はい。つまりは、尸魂界を追放された元死神ではないかと考えます。」
「あー、その話。レン珍しいね。憶測で物事を多く語るべきじゃないっていつも言うのに。」
「正直、隊長が被害を受けたということに焦りを感じているのだと思います。隊長が避けられなかった事を僕達が対応できるのかと。」
「ま、この際だから憶測の話聞かせてよ。リンはどう思う?双子だし同じ考え?」
「レンの意見、可能性はあるかと。片桐のように追放されて、現世に紛れながら血を残している者もいるわけですし。」
「それ言うなら、黒崎一護の父親もそうよね。」
「エッ!??!」
「一護のお父さんが?!」
「知らないの!?死神だよ?それに、藍染との戦い、前線に出てたよ!」
「僕ら十刃のひとりと戦って、藍染とやり合った直後から気絶してたもんで……。」
「仕方ない。十刃倒した後で戦ってたからな。」
「黒崎一護の父親はなんで現世にいるんだろう。」
「さぁ、それは聞いてないよ。」
「戦っていた、ということはつまり、霊力は失ってないんですか。」