第55章 完現術篇 序
「皆さん!落ち着いて、統率をとりましょう!」
その頃、楢津尾十八席は部下4人を連れて大虚と対峙していた。
「応援要請完了。」
「時間は?」
「早くて15分です。」
「縛道を使って現世への侵入の足止めだ!雷鳴の馬車 糸車の間隙 光もて此を六に別つ!縛道の六十一【六杖光牢】」
「楢津尾班長に続け!」
「ね〜六杖光牢で縛られてない?あれ。」
大虚の姿が見えたのだが、どうやら六杖光牢で捉えられていているようだった。
「攻撃箇所は悪くないように見えるが、硬そうだな。」
「ど、どうしよ。私、大虚と戦ったことあんまり無いのに。」
「なぁに言ってんの、つい2年前に大虚より強い奴らと戦ってたじゃない。あんなの油断さえしなきゃ大丈夫よ。ポインティの顔みてよ、余裕そうじゃない?」
「その辺の建物とか魂魄のこと考えなければここから倒せると思う。」
「ね?」
とはいえ、大虚如きで卍解するのも、大きな鬼道使うのも良くない。
「六杖光牢が外れたわね。」
「完全にこちら側にくるぞ!」
「い、急ごう!」
班員の霊圧が低くなっている。恐らくは、怪我でもしたのだろう。
「楢津尾十八席が頑張ってくれてるけど……」
縛道で縛られているが、じきに壊されるだろう。
「私は隊士の保護へまわります。3人にお願いしてもいいですか?」
「承知。」
「やってやろうじゃない!」
「わ、私だって修行してきたんだもん。」
咆哮と共にのしかかる霊圧を跳ね除け、私たちは広場へ立った。
「た、隊長!」
「楢津尾十八席。よく耐えてくれました。怪我人の治療を行います。手伝ってくれますね?」
「はい!」
部下たちを並べて寝かせる。楢津尾十八席も以前身につけた回動を用いて、治療の補佐をしてくれている。
大虚は2名の副隊長とルキアと交戦。確実にダメージを与えている。が、大虚が脚を動かすたびに空気の圧が竜巻の如く地を滑る。踏ん張っていなければ飛ばされそうな程の圧だ。
「氷月。」
氷月を呼ぶと、私の意図を汲み取り、怪我人と私たちを氷で囲い簡易の部屋を作った。
「脚が折れてるわね。固定しましょう。楢津尾十八席は尸魂界に連絡を入れて。怪我人の受け入れを綜合救護詰所に要請を。」