第54章 original~反実仮想篇~
つまりは、喜助の力が必要とされたのだから、光栄なことだ、と夜一さんは笑った。
「外に漏らしたくない案件なら、お前だけに話が来たんも仕方ないかもしれんな。義骸の件とか、魂魄消失案件とか諸々のことはウチに任せとけ。お前おらんでもウチと部下だけでやったるわ。」
「頼もしいッス。」
そう言ってお辞儀をしつつ、さらに加えて申し訳ないですがと断りを入れて話し始めた。
「魂魄消失案件についてッスが、あれは死神の仕業と考えます。同業者を疑うのは悔しいッスが自分たちの部下の動向には目を光らせておいた方がいい。怪しい動きがあればここにいる者全員に共有しましょう。一人で動くには危険ッスからね。」
「あぁ。俺もそうやと思ってた。関わりあるか知らんけど、とりあえず怪しい奴は目星つけてる。」
「それは以前申しておった、副隊長のことか?」
ひよ里は初耳だったのだろう、驚いている。
「……副隊長としての腕は信用してる。ただあいつのことは信頼はしてへん。」
「なんでほんならあいつを部下に選んだんや。」
「お前にいう必要あるか、ボケ。」
平子隊長は手をヒラヒラさせて出口へ歩いた。
「まっ、なんかあれば共有する。」
「なんやあいつ、辛気臭い顔しよって。」
「まぁまぁ、そう言わんでも良いじゃろう。喜助、その件しかと受け取った。夢の件についても、儂が手伝えることがあればなんなりと申せ。では、砕蜂が発狂する前に戻るとするか。」
残されたひよ里は、部下に指示を出してくると言ってその場を離れた。
「喜助さんが仕事なら、私は邪魔になるよね。家に戻っとく。」
「もし良ければ、ちょっと手伝ってくれませんか?。」
「いいの?」
「はい。大歓迎ッス。」