第54章 original~反実仮想篇~
「はぁ?ウチ聞いてへんぞ!」
「言ってませんもん。」
「お前なぁ!ウチは副隊長なんやから、共有しとけ!ドアホ!ただでさえ片付けなあかん仕事多いのに!」
あはは、すんませんと笑う喜助さんに対して口々に意見を出した。
「極秘案件かなんかなら、詳しくは言えんのやろ?」
「えぇ。そうは言いつつ、おこがましいですが関連することでも、なにか意見があれば教えてください。手詰まりでして。」
喜助さんが最近忙しかったのはこのことがあるのかな。
「そうじゃのう。夢に干渉ができるのであれば、現実の方が素晴らしいと説くに限る。典型的ではあるがな。」
「主人公にこれは夢だと教えるっていうのは危険だとしたらどうします?」
「と、いうと?」
「夢の世界を自覚し、夢の方が良いと望んでしまうと、現実へ帰る道は閉ざされてしまいます。」
「せやったら、可哀想やけど夢の世界で辛い目に合わすしかなくないか?そこで、これは夢や、悪夢やって言えば覚めたくもなるやろ。」
ひよ里の意見に皆が頷く。
はっきりとは言わないけど、察するに喜助さんには極秘案件が舞い込んでいる。その内容は夢の世界に閉じ込められたものの救出だろう。幻術系の斬魄刀にかかって解けなくなったから、技術開発局局長である喜助さんにこの話が来た。とか。全死神の斬魄刀の能力を記録してる機関でもあるし、納得がいく。恐らく喜助さんにしか教えられないのは、外に出せば護廷隊の信頼の失墜に繋がる恐れがあるとかで、言えないのかもしれない。
「悪夢ッスか。成程。」
「現実に戻る条件ってのは2つか?夢と自覚させる、そして現実へ帰りたいと思わせる。」
喜助さんは首を振る。
「それはあくまでも現実へ帰る道を閉ざさない術ッス。現実へと戻す術ってのが分からないんッスよねぇ。」
「夢にとらわれてる子は、生命活動はできるのか?」
「ええ。そこは心配いらないみたいッス。その夢の世界で10年生きても、現実では1日も経ってなかったりするみたいッスから。」
「お前そんな複雑な案件抱えてるんならちゃんと言えよ!内容言えんでも、極秘案件抱えてるくらい言えるやろアホ!」
ひよ里にペシンと頭を叩かれて蹲った。
「難儀なこと押し付けられたな。」
「察するに斬魄刀の能力か特殊能力を持つ貴族とかの話であろう。解決策として科学分野が必要とされたんじゃろう。」
