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【BLEACH】

第54章 original~反実仮想篇~



「私も行きたい……。」
「何を言ってるんッスか。虚を倒すのは斬魄刀を有した我々の役割。貴女がいくら鬼道を扱えても、斬魄刀が無い以上、一般人。我々死神の守るべき対象ッス。」

"斬魄刀が無い"という言葉が胸を刺した。
右手をぎゅっと握りしめる。足りない、私には何かが足りない。とても大切なものを忘れている気がする。

「僕、これでも隊長なんッスよ〜。そう簡単にやられません。さぁ、家まで走りましょう。」

喜助さんが私の手を取ったその時、背後から霊力の光が迫ってきた。喜助さんが私を抱いて瞬歩で移動した後、地面に伏せた。

「喜助さん……苦し……」
「あぁ、すいません!怪我無いッスか?」
「怪我はないけど……この着物良い物だったのに。」

砂埃がおさまって当たりを見ると、霊力の塊が木々をなぎ倒して行った為、軌道がわかった。

「この軌道ならうちは無事でしょう。」
「縛道の六十三【倒山晶】」

私を襲ってきた死神を囲ったのち、鏡門を四角柱の形にして張った。

「虚閃にも耐えられる強度だと思う。彼らを自由にするわけにはいかないけど、虚の攻撃の巻き添えは気の毒だし。」
「虚閃……ッスか。大虚並の霊圧ではありますが……」
「もしくは破面。」

そう言うと、喜助さんは眉間に皺を寄せた。その発想はなかったと言うものだろう。

「だとするなら厄介だ。」
「ヴァストローデ級ではないと思う。彼らなら何も考えず虚閃を放つなんてことしない。私たちと変わらない知性はあるから。」
「随分詳しいッスね。真央霊術院でもそこまでのことは教わりませんよ。」
「うん。独学した覚えはないし例の記憶かな。」
「今はそんなことよりも……貴女を安全なところに、」

そう言ったが、地面が微かに揺れ、草木を掻き分ける音が近づいてきた。

「おや、気付かれましたか。仕方ないッスね。」

足音に似合わない巨躯が姿を現し、咆哮を上げた。

「破面じゃない……?」

仮面は割れていないが、やはりただの虚ではないと思わせるものがあった。

「服を着ている虚なんて……」
「ええ。しかもあれは……死覇装だ。」
「死神の虚化……」

耳が痛い。頭のずっと奥がズキズキと痛む。

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