第54章 original~反実仮想篇~
喜助さんは当然の如く私の保護側にまわっている。
正直、何度か狙われていたし、捕まった犯人の他に真犯人がいるかもしれないというのはなんとなくわかる。だけど、私を過剰に保護するのは違う。それを一生懸命に訴えた。
それでも私を守ろうとする。守ってもらえるのは嬉しい。だけど足でまといにはなりたくないのだ。
「私は対等にいたいのに……。」
自分の手を見つめていると、両の手を喜助さんが握った。
「例えポインティが死神だったとしても、僕は同じように命をかけて貴女を護ります。決して貴女が非力だからとか、そういうのでは無いんです。貴女がいなくなったら、僕は……」
そのあとは言い淀んでしまった。その姿はどこか幼く見えて、胸の奥が苦しくなった。
「……わかりました。暫くは十二番隊でお世話になります。だけど瀞霊廷内の外出に警護は要りません。明るい時間に人通りの多い道を選んでいきますから。」
「夜1人でいるよりかは全然いいッス。」
「悪いな、喜助。深く聞きたいやろうに。」
「貴方のこと信用してますからね〜」
「おっ、褒めても飴ちゃんしか出さんで。」
その話がちょうど終わった時に、扉がばんっと開いた。
「あっ、すいません!間違えました!!」
「あら、貴女はこの前卒業した……」
部屋の扉を開けたのは真央霊術院を卒業してまだ一年も経っていない新米死神。
「蓮美先生、お久しぶりです。」
「どないしたんや。」
「えっと……第三事務室に酉班がいると聞いたので迎えに来ました。藍染副隊長が斬魄刀の指導をしてくださるので。」
「あぁ、あいつそう言えばそんなこと言うてたな。第三事務室は1番手前の部屋やで。」
「広いから迷うッスよね〜。」
彼女は嬉嬉とした様子で部屋を出ていった。
「部下の指導に熱心な副隊長さんっスね。」
喜助さんには藍染副隊長の話はまだしていない。
「あぁ。」
素っ気ない返事をしてカーテンをさっと捲り、中庭を見つめる。そこには既に数人の人集りがあり、囲むように藍染副隊長がいた。女性死神が多い印象だ。
「新入隊士の始解取得の為の指導やのに、始解取得してる女死神まで群がっとるで。」
「あはは、彼、爽やかな青年っスからね。ウケもいいんでしょ。」