第54章 original~反実仮想篇~
「みんなええか、蓮美先生のこと必要以上に煽ったり褒めたりすんなよ。んで金輪際八十以上の鬼道は使わせんなよ!この校舎本気で壊す。」
「はははっ、」
「笑い事ちゃうわ。ほな、俺は用事済んだし、もう帰る。」
皆が90度に頭を下げるのでわたしもそれにつられた。
「……てことでまぁはい。お騒がせしました。虎徹さん、どうかな?」
彼女は固まった顔で
「あ、あ、あの、すいませんでした!」
と頭を下げた。これはもう私への不信は払えたってことだろう。
気を取り直して授業再開。
2時間続く演習は無事に終わった。
学校前にはひよ里が立っていた。
「ひよ里〜!どうしたの。」
「ど う し た の やないねんボケェ!!!」
飛び蹴りを食らわされて後方に倒れ込む。めっちゃ痛い。
「真子から聞いたぞ!お前何してんねんあほか!!」
「九十番台詠唱破棄したんです……」
するとひよ里が真顔になった。
「それ……ほんまか?」
「黒棺を……」
「せやから真子、濁しとったんか……。お前の霊圧、離れてるウチらんとこでも何人かは感じたんや。ボケカスは狼狽えとったで。何かあったんちゃうか言うてな。その後すぐ真子から『ポインティが授業中にアホみたいな霊力使って高度な鬼道を使った』と連絡あったんや。ま、割と関わりあるウチらやからポインティの霊圧やと分かったけど他の人じゃわからんやろうなってことで、真子がやったことにした言うてたわ。」
「私に目がいかないように、優しいですな。」
「ですなじゃあらへん!九十番台詠唱破棄とかなんなんお前。口が裂けても言うたらあかんで。」
「そんなにやばかったのかぁ。」
そう言うと、彼女はため息をついた。
「お前なぁ……最近狙われたりしてるやろ。あんまり目立つことすんなよ。いくら高度な鬼道出来ても、戦術知らんのやから、いざってときは死ぬかもしれん。」
「気をつけます。……それ言いに来てくれたの?」
ひよ里は目を釣りあげて肯定した。別にそんな顔しなくても。
「とにかく!あんま目立つなよ!分かったなら、家まで送ったるから、夜飯食わせろ。」
「何食べたい?」
「肉」
死覇装を身に纏う彼女は珍しいわけではないのに、何故か新鮮さを感じた。
「死覇装似合うね。」
「はぁ?いつも着とるやろ。」