第54章 original~反実仮想篇~
「平子隊長ぉ……」
と顔をじっと見つめると、私の腕をぐいっと掴んだ。
「あっあの……」
「お前ら、深呼吸でもして緊張解いとけ。その間、センセイ借りんぞ。」
肘の辺りをぎゅっと握ってそのままぐいぐいと演習場の隅へと引っ張っていく。
「ちょちょ、なんです?」
「なんですやあらへん、あれを俺にかますつもりやったんか!」
「えっとまぁ……隊長ですし。」
「死ぬわ!ポインティよく聞け。いくら戦術学んでないとは言え、そもそものポテンシャルが隊長格に匹敵するもんなんや。あんなのを無傷で受け流せるのはおらんわ。」
「そうなんですかぁ?」
「それとやな、九十番台詠唱破棄は高等技術中の高等技術。そもそも隊長格でさえ九十番台の鬼道できる奴も数人おるかどうかやで。」
「ふふふ、褒められても〜」
「にやけんなって」
と両頬を摘まれた。いたいでふ、いたいでふ
「というか、こんなところであんな馬鹿でかい鬼道ぶっぱなしたら、他に迷惑かかるやろ!なんとなく経緯はわかるけれどもや!」
「とても反省します……。」
平子隊長は釣り上がった目を閉じて開けた時に真剣な表情をした。
「それだけちゃう、あんなことできるって知ったら、上も黙ってへん。強い力ってのは誰かの管理下に無いと安心できへんからな。もし、中央四十六室から目ェつけられてみ。下手したら監視目的の為に死神になるはめになるで。死神になりとうないんやろ。」
「死神……ねぇ。」
何故か私は死神になりたくないという気持ちは無くて、それよりもなにか使命があったような気がした。
「さっきの霊圧は一体なんだ?」
「蓮美先生、どうなってるんです?」
演習場に入ってきたのは管理職の先生方だ。
「いや……あぁの……」
「アハハッすんませんすんません、若い生徒に喝を入れようとちょっとハリキリすぎました〜」
平子隊長が頭を掻きながら名乗り出た。
「平子隊長でしたか〜!」
「えらいすんません。お騒がせしました。どうか、総隊長には内密にしてください。」
「あっはは、生徒の為ですからな。いいでしょう。」
あっさりと引き上げていく先生方が見えなくなってから