第54章 original~反実仮想篇~
「ではグループに別れて赤火砲の練習を始めましょう。虎徹さんはこちらに。技量を図らせてください。」
優秀な生徒は履修科目を学期途中で修得し、その時間に他の授業を履修することがある。この授業は選択科目であるが、鬼道練習には良いと聞いて選んでくれたのだろう。
「あの、失礼ですが。」
割と大きな声で言うので、は、はい?と聞き返した。
「先生は真央霊術院を入学すらしていないと聞いています。」
「あぁ、そうよね。真央霊術院で学びもしてない者に鬼道を学ぶなんて不安よね。納得いかないのもわかるわ。」
「そこまでは言ってません。」
「下級生!辞めとけよ、みんな最初はそう思ってたけど、蓮美先生が凄腕なのは学院長が認めてるからな。」
「そうだよ!なんてったって、恋人である十二番隊隊長から手取り足取り特訓してもらってるんだもんね!」
「腰取り?」
「やだぁ、そこまで言ってないよぉ!」
キャッキャと騒ぎ出したので、パンパンと手を叩く。
「虎徹さんの言い分もわかるわ。でも、このまま貴方に鬼道を教えても、貴方から私に対する不信が無くならない限り、10のうち1も身につかないでしょうね。」
否定しようとするけど、言葉が見つからないのか、彼女は口をパクパクとしている。
否定というか、本心には私への不信があるはずだ。
「信頼関係がないと、私がどれだけ教えても、あなたには響かない。貴方を責めてるのではないのよ。私が真央霊術院で学んでないのだから、これは仕方がないこと。だからこそ、私は貴方や生徒との信頼関係を築かないといけないと思ってるわ。私の場合は簡単なの。『鬼道を教えるのに値する能力があるか』それさえ証明できればいい。では虎徹さん。私に試験を課して欲しい。君の基準点に達することが出来なければ、私はこの授業を降りましょう。鬼道のことならば、なんでも構わないよ。」
「じゃあ……赤火砲とか……」
私の勢いに負けたのかオロオロとしながら言う。
「遠慮しなくていいよ!ちなみに私たちは詠唱破棄の双蓮蒼火墜見せてもらった!」
「先生、せっかくならそれ以上の見せてよ〜」
「ばか、それ言ったら八十番台しか残らないだろ。」
「じゃあ、八十番台の鬼道を……」
「ちなみに、ここに勤務する条件として八十番台をクリアすることだったのだけど。」
