第11章 尸魂界篇:旅禍侵入
「隊長、荷物運び終わってませんよ?」
先日、隊舎の一棟が完成し、本日は荷物運びを予定していた。
「抜け殻じゃないっすか。」
「お主がその分働けばよかろう」
「は?茶を啜ってるだけの人に言われたかないっすよ。」
「世は蓬莱家から使用人100人献上したではないか。」
「鏡山からも献上してるよー!」
「隊長、大丈夫ですか?一度現世に戻られますか。」
レンが心配そうに尋ねてきた。
「当分現世には戻らないでおこうと思ってる。」
何をしてても上の空になってしまう。これで現世に戻れば家族や友達から心配されてしまうから帰らない方がいい。
「隊長~ルキアさんと会わなくていいんですか~?もう最後になっちゃうかもしれないんですよー?」
「ちょっリン!!」
「リンちゃん、ストレートすぎる!」
「え?だって」
「それは禁句だろ……」
皆が慌てている。
「…ルキアに会えるのは一部の人だけ。私なんか会えるわけないよ。」
こんなんで隊長になってもいいのだろうか。
こんな気持ちで任命式に臨めない。
地獄蝶がひらひらと飛んでくるのが見えた。
レンが手の指に地獄蝶を乗せた。
「隊長!旅禍です!早急に一番隊隊舎へ向かうようにとのこと。」
旅禍、つまり侵入者というわけだ。
「わかったわ。」
部屋に入ると隊首会の最中だった。
「……これは私が入ってよかったのでしょうか。」
「構わん。非常時だ。新一番隊は結成こそしてはいないが戦力になる。移籍が済んでいる者は動けるはずじゃ。その者たちを束ねて旅禍を捕縛せよ。」
私ははい、と言うと列に並ぶように言われた。
扉に1番近いところに並ぶ。
旅禍は合計4人と1匹。
ルキアが死神の力を与えた人間の少年とその仲間と猫がいるという。
死神の少年はともかく人間が生身の身体で尸魂界に来るなんて不可能だがそれを今論じても意味は無い。
あと猫というのもひっかかるがそれも今は何ともいえない。
瀞霊廷の門番、兕丹坊が食い止めているらしい。
私たち新一番隊にも警護及び見張りを任された。
部屋を出るなりギン隊長が私に言った。
「総隊長も鬼やなぁ。人間相手やのに人間のポインティちゃんを出動させるなんてなぁ?」
「おい、市丸。」
声に圧をかけて冬獅郎がいった。
「怖い怖い。ポインティちゃんのこと思って言うてるのに。」
