第54章 original~反実仮想篇~
「喜助さんたちの騒動が一段落ついてから、転生許可の申請したのよ。なるはやで転生したくて旧一〇四条の制度使ったから身辺整理してたんだわ。結局、正規ルートだったよ。許可下りたとき、春がすぐそこだったから、毎年恒例にしてた京楽隊長との花見を別れ酒にしようとおもって。」
「そうなると、通常より30年遅かったッスね。大体60年程で許可が降りるのでは?」
「浦原喜助の同居人だったから、じゃあないかな?」
とはいえ尸魂界での90年はそう長いものではない。制度を利用したが、今の私にとってはこの結果は万々歳のものだ。
「こうやって生まれ変われたんなら、思い出の品とか残せばよかった。記憶朧気なこともあるし、悔しい!」
わんわん言っていると喜助さんが、まぁまぁと宥めてくれた。
「これから残せばいいじゃないですか。ほら、沢山写真撮りましょ〜。」
「そうだけど。今はプリントの時代じゃないし。SNSにあげるほど映えなデートに連れてってくれます???」
「今流行りのやつですか?えぇと、パンケーキ?タピオカ?」
「結構前にブーム去ってるよ……」
「パパ活……」
ずっと黙っていた雨がボソッと呟いた。
「やっぱりそう見えるっスか?」
「まぁ……私、花のJKだしね。ちょっと離れ過ぎか?」
「はぁ」
喜助さんが大袈裟に落ち込むので、背中に向かってとりあえずその無精髭を剃ってくれと言ってみた。
「喜助さん、老けましたけど、悲観的になる程じゃないですよ。顔だけなら20代に見られますって!なんだろうなぁ、雰囲気?オーラ?が老けさせてるんですよね。」
「服が悪い……」
「それ。服。それも似合ってますよ?似合ってますけどね。私とのデートするんなら、洋服着てください。」
「どれだけ努力しても、男子高校生には見られないじゃないっスか〜!」
「一護や石田さん、チャドさんと並べると思ったの?!」
「ヒドくないっスか〜?」
「現実みてよ!どっちかっていうと、一心さんや石田さんお父さん世代ですよ!」
「それは酷いっスよ!」
「酷くないでしょ!」
「はぁ〜もういいですよ。アタシ如きがポインティさんとデートするなんて、10年早いってことっスよ……」
「あー、まぁうん。そうだね。10年後には釣り合うかもね。」