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【BLEACH】

第53章 original~魂葬篇~


「もう少しだけ、いいかな?」
「どのくらいですか?」
「もう少し、これができるまで。」

彼女はノートに色鉛筆などを使って、色んなことを書いていた。

旦那さんの好物のレシピの数々、息子さんのご機嫌ななめな時のあやし方、外遊びに必要なもの、母として妻としての知識をこのノートいっぱいに詰めたいと言った。

「もう時間が無いのはわかります。……この鎖が無くなったら……」
「悪霊になって、人を見境無く襲うでしょう。」
「……ギリギリまで、戦わせてください。」
「わかりました。二人には先に帰ってもらうようにします。」

彼女は真剣に、ノートに書き綴った。

「悟くん、私たちは帰るよ。」
「……。」
「ごめんなさいね、ずっとあの調子で……」
「そう簡単に立ち直れることではありませんから。」
「私も、まだ気持ちの整理が……」
「……悟、ご飯作り置きしたからね、修ちゃんのご飯もタッパーにある。ちゃんと食べさせなさいよ。」

女性は自分の両親を見送って再び机に向かった。

カチカチカチカチと時計が秒針を刻む音と、2人の寝息が聞こえる。


「ポインティちゃん、尸魂界ってどんなところ?」
「うーん、死後の世界にしてはこことそう変わらないですね……文化レベルは異なりますけど。」
「文化レベル?」
「江戸時代っぽいかなぁ。特に流魂街は。死神の住まう瀞霊廷や隊舎は科学技術が発展しているところもありますけど、基本は……うん、武家みたいな?江戸時代っぽいです。」
「へぇ〜面白そうね!」
「流魂街のどこに行くかはランダムなんですよね、そこで家族が割り振られるんです。」
「あら、あちらでも家族ができるの?」
「違う場所、違う時代で死んだ者がひとつ屋根の下で過ごしますからね。」
「尸魂界ってのも悪くない気がしてきたわ。」

そう言って笑顔でノートに書き進める。

「ほんとこの人、ずっと寝てるわね……修ちゃんにご飯食べさせなさいよったく……」

女性はおーーーいと耳元で叫ぶ。

「……んん?」

目を擦って男性は時計をみると、立ち上がってキッチンへと向かった。

ノートやらなんやらは私が隠したので、ギリギリセーフ。

一人残された子どもを愛おしそうに眺める女性に声をかけた。
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