第53章 original~魂葬篇~
「この先のコンビニへ行こうとしたら、信号無視してきた車に轢かれた、と。」
「なるほど、じゃあその車を探し出せばええんちゃう?」
女性の霊はそんなこと出来るんですか?
と尋ねてきた。
「貴方が覚えていることを話してください。必ず警察へ届けます。」
事故当時の話を詳細に聞いた。
そのまままとめて、警察へと届け出る。
女性は事故の顛末を見届けたいだろうと思い、虚になる可能性も少ないため、今日はそのまま見届けることにした。
土日を挟み翌週放課後。自由に部活見学ができるとのことで、1時間ほど様子を見てから、七海と共にそのまま例の場所へと向かった。
白い看板が撤去されるところに居合わせた為、警察官に尋ねてみると、無事に逮捕ができたとのこだった。
控えめに立っている女性に私はよかったですね!と声をかけに行くも、彼女の顔はまだどこか晴れぬまま。
「いえ、もう良くして頂いたので……」
「そうは言っても、後悔したまま尸魂界へ送りたくないです。」
「尸魂界?」
「あぁ、私のこと話してませんよね。死神です。」
「し、死神?!」
女性は少し身構えてしまった。
「ポインティ、死神って言ったら誤解されるんちゃう?」
「うん、誤解されてそうなリアクションでした。私は現世に迷える魂の罪を洗い流して、死後の世界である尸魂界へ導く者です。あっちへ行けば死神のこと分かると思うので、今は貴方を救う存在だということだけ認識して頂ければ。」
「私はあなたのこと見えないし、声もわかんないけど、なんとなーーーーくこう……いるなっ、みたいなちょっとわかるから、縁と思って、最後まで付き合うで!」
七海が明後日の方向へサムズアップ。たまたま通りかかった同級生と思われるグループには全力で引かれた。
「実は……あの時、私の息子が熱を出していたんです。旦那が息子を見ていてくれていて、私がそこのコンビニまで行って、スポーツドリンクとか、熱さまシートとか、食欲がなさそうだったからゼリーとかアイスなら食べられるかなと……そんなこと思って自転車を走らせてたら……」
「それは……なんというか」
思っていた以上に、重い話だった。
「息子さん、いくつなんですか?」
「3つ……なんです。」
「それは、可愛い盛りやな。」