第53章 original~魂葬篇~
入学式が終わり、校舎前で写真撮影が始まる。
「ポインティは部活どうするん?」
同じ学校へ進学した七海と写真を撮ったあとに問いかけてきた。
「あぁ……帰宅部かしらねぇ。」
「えぇ?剣道部にでも入ればええやん。」
「剣道……いやぁ、実戦とか違うし、変な癖ついちゃうとまずいんだよねぇ。殺陣ならまだしも。」
「そうなん?えぇ剣道部興味あったから、一緒にと思ったんやけど。」
聞けば、私が戦う姿を見て、憧れを抱いたらしい。
「見学と体験だけでもついてきて!」
「それはまぁいいけど……。」
「ありがとう!来週の放課後空けといてな!」
「学校生活になれるまで仕事戻らないつもりだからいつでもいいよ。」
「ポインティはまじで部活入らなくていいん?友達つくれる?」
「部活しなくても、つくれるでしょ〜?それに、部活したって私は行けない事の方が多いと思うし。そもそも、授業終わってるのに学校に残る意味が分からないのよね。土日も潰れるし。」
「出たよ〜昔から学校終わったら即帰宅するタイプだったもんね。」
「なんで部活あるの?先生休みたくないの??勤務時間外労働なのに?Mなの??うちの所の方がよほどホワイトだわ。」
「命かける仕事に比べりゃ教師マシやろ〜」
などと言いながら下校する。
母は井戸端会議中の為置いてきてしまった。
バス停までは徒歩5分。大きな交差点の向こう側にある。
交差点に差し掛かったところで、白い看板が立てかけてあるのを見た。
「あ〜春休み中にあったらしいね。」
『3月29日23時頃 自転車と乗用車の事故の目撃情報求む。』
といった県警の看板の下に花束が置かれている。
「ありゃぁ〜バスめっちゃ混んでるやん。次のバスかなぁ。」
七海が道路を渡ろうとするところ、私はそちらの看板に向かって歩いた。
「ちょっと?ポインティ?信号変わるで。」
看板の前に立ちすくむ女性に声をかけた。
「何か伝えたいことありますか?」
えっ?と驚いたように振り向いたのは30代半ばくらいの女性。
「私は、貴方のことを救う事ができます。」
「えっ、ちょっ……まさかポインティ、誰かおるん?」
七海が目を凝らしているのを横目に微笑んだ。
「お話、聞かせてください。」