第52章 original~空座町怪死事件篇~
ベッドの上で目覚めて、暫くしてから東雲四席がやってきた。
「報告書書くにも、手がそれじゃ書けないじゃないっすか。」
「えへへ。」
「まさか、報告書を書きたくないから井上織姫の所に行かなかったとか?」
「そ、そんなこと……あはは」
私はかなり疲れていたこともあって治療が終わった昼から半日以上寝てしまっていたらしい。
「あの方に治療してもらうとは言え、あのまま放っておくつもりだったなんて。再三注意したにも関わらず、余程死にたいようですね。……て卯ノ花隊長に笑顔で言われた、怖かった。」
「隊長、藍染との戦いの後、胸に穴あけた状態で止血してずっと放置してましたよね?卯ノ花隊長、青筋浮き出る程怒ってたのに、また怒らせるなんて。」
「覚えてた?」
東雲四席と話しているとレンが病室を覗いた。
「あ、起きてらっしゃる!気分はどうです?」
「気分は最悪。色々あってさ。でも怪我は大丈夫。お風呂入りたい。あ、ねぇねえ」
「隊長の知りたい情報は浦原殿のことでしょ?精密検査の結果、脳は無事とのこと。しかし後遺症が消えるには数日かかる模様です。」
「元気そうだった?」
「はい。元気そうでした。あと、これ見てください。浦原殿がその手じゃ報告書を書けないだろうから、と今回の件をまとめてくださいました。というか、120点の報告書です。これで良ければ僕が書き写して提出します。代筆したと言えば通るでしょう。サインだけお願いしますね。」
「えっ、凄い……うん、うん、うん、完璧。」
「じゃあこのまま写しますね。お大事にしてください。あと、総隊長が『怪我が良くなったら改めて報告に来い』と。」
「はーい。」
「片桐アリカの処遇っすけど。霊子変換して、今一番隊の拘置所にいます。」
「新設一番隊拘留所初の使い道がまさかの人間。」
各隊に拘留所がある。ひどい場所は土壁や地下牢だが、現世の拘留所を元に個室が10、4人部屋が3つの小さな拘留所だ。
「記換神機で記憶を消せとの命令っすが、どうします?」
「……そうなるよね。私の指示があるまで何もしないでくれる?あと、お願いしたいことがあるんだけど。」