第52章 original~空座町怪死事件篇~
「ケタケタケタ」
部屋のなかから聞こえる笑い声が気持ち悪い。
部屋の方を見ると、無数の目が近寄ってきていた。
「……!!喜助さん!!部屋に生物兵器がいるんじゃない!これが生物兵器なんですよ!!」
「……!!」
「縛道の六十二【百歩欄干】」
霊子で構築されているならば縛道は通じるはず。しかし、この程度の縛道でどうにか出来るなんて思わない。それだけこの化物が異様で、禍々しいものである。
「やっぱ駄目か」
巨大な生物兵器はゆっくり、ゆっくりと動いて扉から出ようとする。
「と、扉閉めたらどう?総隊長の流刃若火でぼうっと!」
「それまでコレが出てこない保証ないですよ。」
『今の聞き捨てならねぇ!!俺の力を信用してねぇのか!!』
「そんなことないよ!!」
決して消えることのない黒炎を生物兵器にお見舞いした。
中で唸りを上げている。
「……これでもすぐには倒せないか。」
色々試そうとしているのを察した喜助さんは黒い手を全て引き受けてくれているが、本来戦えるような状態でない。
「縛道の三十七【吊星】」
コンピュータの部屋に鬼道の縄が張り巡らされた。
「喜助さん!生物兵器に鬼道を放ちましょう!!花月!【百花乱刀】」
花びらが黒い手を襲い、こちらに来ないようにしてくれた。
「花月、あの生物兵器の霊力吸える?」
『え、嫌です!!!あんなの、逆に持ってかれます!!』
霊力を少しでも減らすことが出来ればと思ったが。
「多分、この霊圧の"深さ"を考えるとただ燃やすだけでは足りない。でも、炎以外の攻撃が全く効かないのではないと思う。さっきの剃刀紅姫の攻撃でそう思った。喜助さんは、一番威力が高い鬼道を放ってすぐに紅姫の攻撃を。私も鬼道を放った後に色々します。」
「……考えがあるならのりましょう。生憎、まだ細かいこと考えられるほど思考能力が戻って無くて。」
「花月!この黒い手から私たちを守れる?」
『守ってみせませう!』
吊星を解いた。
黒い手は好機とばかりに襲いかかるが、花月が守ってくれる。
喜助さんはそんな中、部屋に向かっていった。
「【縛り紅姫】」
部屋の中に淡く赤の縄が走る。
恐らく、鬼道の後に数珠繋ぎをするはず。
しっかりタイミングを計らないと。
「喜助さんの数珠繋ぎに合わせて動きますから!すぐにそこ離れてください!」
