第52章 original~空座町怪死事件篇~
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彼が話している時、彼からミシミシという音がした。
嫌な予感がして、縋り付く建石さんからポインティサンを抱き寄せたが……
彼は頭蓋骨をメキメキと言わせ白目を向いたあと、あっという間に肉片になった。
その後、カサカサという音が扉に向かって消えていった。
肉片や血液は壁や床に飛び、当然の如くポインティサンや自分にもかかった。
あまりにも酷い"それ"から思わず目を離した。
これはなかなか、アタシでもきつい。色々見てきてるのに、全身が粟立つのを感じた。
私に身体を預けてるポインティサンをみると、瞬きもせず、目の前に転がるものを見続けている。
彼女の投げ出された足は広がる血液で濡れ始めているのに、それに反応することもなく、声を発することも、目をそらすこともしない。ただ、浅い息をするだけだ。
「ポインティサン、」
名前を呼んでも反応がない。
足も、手も動かない。
恐怖のあまり、思考と身体が硬直してしまったようだ。
静かに彼女の目を覆うも、彼女は手のひらの向こうを見据えるように、目を見開いていた。
今も尚彼女に助けを乞うように、彼女の腕を強く握る健石サンの手が残されている。
「あ、…」
彼女は単発的な声を発した。
それはなにか言葉にしたかったのか、呼吸の一つだったのか、意味の無いものだったのかわからない。
彼の腕を彼女から離した。かなり強い力で握られている。
血液が広がり、自分も汚れそうだ。
彼女を抱えてベッドに座らせた。
それでも尚、彼女は一点をみつめて身体を動かそうとしない。
これは……一度戻って形勢を立て直すしかないッスかね。しかし、斬魄刀が取られたままというのは落ち着かない。彼女を東雲四席に預けて、アタシだけで探索しますか。
……いや、隊長としてのポインティの立場を思うならそれは良くないか。とりあえず、彼女をどうにかして正気に戻さなければ。