第52章 original~空座町怪死事件篇~
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この臭いはクロロホルムだとか、中枢神経系に作用する物質だろう。長くいては気を失うかもしれない。
とりあえず、扉の先がなにかを確認してここに充満する物質を逃がさないとここの探索はできない。
その旨を伝えたところ、ポインティサンは扉の方へ歩いていった。
薬品の瓶を置いて立ち上がろうとした所、ドタン、と音がした。
ライトを音源に照らすと、ポインティサンが床に倒れていた。
「ポインティサン!!」
何があったのか、駆け寄ったところ視界がユラユラ揺れた。
扉に行くほど、濃度が濃かったようだ。
先に彼女を行かせなければよかった。
すぐにここから離れなければ、死に至る可能性もある。
意識が朦朧とする中、ポインティサンを抱えるも視界が暗転してしまった。
「……?」
朦朧とした意識の中、目覚めた。
すぐに、さっきの事を思い出して状況を判断しようと顔をあげた。
臭いはない。暗くてなにも見えない。
月明かりがさしていたさっきの部屋ではないようだ。
手の自由が効かないことに気が付く。
誰かに監禁された、ということだろうか。
罠に嵌められるなんて。
聞き耳をすましてみたところ、自分と対面する形で誰かがいるようだった。
「ポインティサン……ッスか?」
近寄ってみたところ、やはりポインティサンだった。
意識を失っている。
「ポインティサン、起きてくださいッス。」
「……ん?」
「気分悪くないッスか?」
「ここ……は?」
「病院の中でしょうが……。」
ここまでの経緯を説明した。
「じゃあ私たち、何者かの罠に嵌められたの?……あ」
ポインティサンが前のめりになったとき、鉄が床を擦る音がした。
「ベッドの足に繋がれてるみたい。」
ポインティサンの手を拘束する手錠の鎖がベッドの足にかけられているため、ここから動けないようだ。
「閉じ込められてるの?」
その問いかけに、動くことはできる自分は扉の前までいって外の音を聞いてからスライド式の扉を開いた。