
第52章 original~空座町怪死事件篇~

今回の被害者も同様、頭が破裂したようなものだったという。持ち物から個人が特定され、ニュースでも実名報道が行われた。
喜助さんはその情報をもとに、入院歴、通院歴を調べた。
今回の被害者もまた、第一総合病院との関わりがあったのだ。
「……やはり、第一総合病院へ行ってみるしか無さそうッスね。」
「でも情報がもっとほしくない?」
「第一総合病院に行けば何かある、その情報なら掴めてるじゃないッスか。」
「どういうこと?」
「皆、第一総合病院へ向かってから連絡が途絶えた……つまり、確実になにかあるんッス。」
「私たちも連絡とれなくなったら駄目なんだよ?そのために情報を集めないと……どんなこと調べたらいいかわかんないけど。」
「まぁ……隊長が嫌なら自分行くっすよ。」
東雲四席が言った。
「いや、部下に危険なところ行かせらんないよ。病院は私が行くつもり。ただ、なにか情報得られないかな……て。何もなしにボス戦行くみたいな感じするし……。病院にボスがいるのかわからないけど。」
「実は先ほど、専門家の意見を求めたんっスよ。……お、きたきた。」
通信機の向こうから卯ノ花さんの声がした。
『四番隊の上官会議の結果、脳内の異物摘出手術は無機物、有機物どちらも可能。しかし成功率は高くはなく、また術後に後遺症を遺す可能性が高い。さらに、異物が一級危険物であった場合、安全優先の為、私が手術をさせないこともあります。』
「当然っス。体内から取り外すことがトリガーとなる爆弾、なんてものだったら本人はおろか執刀医諸共飛ばされます。」
『勿論、すぐに爆発することのない爆弾であれば摘出手術は行いますよ。有機物、例えば寄生動物が原因であれば取り除きましょう。しかし現状、宿主の頭部を破裂するような種がいるとは聞き及んでません。』
「ウイルスや細菌……これもまた頭部破裂なんてきいたことありませんが、もし新種のそういったものが原因であった場合、そちらで処置は可能っスか。」
『今ある薬を投薬する治療はできます。それが有効でなければ手は尽くすとしか言えません。ご存知でしょうが、原因とされるウイルスを特定し、有効な新薬を完成させるには長い研究が必要です。さらにその後に人体への負担がないかを充分に保障できなければ、実験や研究の上では有効だとしても"ここ"では投薬は許可できません。』
