第51章 original~投獄篇~
「卍解したところで鎖条鎖縛で縛られてる以上はなーんもできないわよ?」
乱菊さんがそう言った時、私の手に自分の斬魄刀が現れた。
そして勝手に手が動いて刃を首にあてがおうとしている。
意識はしっかりとある、身体がまるで"操られている"ようだ。
自分の意思がある分、多少は動きを拒否することはできるが、相手の力が圧倒的で、掌がつかないようにギリギリを保っている時の腕相撲のように、反抗してもじわりじわりと身体が動く。
刃が首の側面、皮膚が少し凹んだ所で腕は止まった。
「これを解除した方がいい。……拒否すればどうなるか、後ろを見ればわかります。」
皆が私を見て声を上げた。
「傀儡人形……そーゆーことかいな。」
「早くした方がいいと思いますが?」
鋭い痛みで顔を歪めた。
「……ッ」
首から流れてきている。
「動脈まで到達させましょうか?」
皮膚の中に刃が入り込み、肉の間にも侵入してきている。
喜助さんはそれを見て、私に向かって手を掲げた。
「縛道の七十九【九曜縛】」
私を中心に黒い玉が現れる。ただでさえ身体の自由が効かないのに、上塗りされて重苦しい。しかし、私の腕は止まってくれたようだ。相変わらず首に刺さり、刀身から鞘にかけて血がダラダラと出てきているが。
「……死ぬ覚悟はできているということッスね。」
喜助さんの白打による一方的な攻撃が続いた。
「藍染の被害者……と同情したアタシが馬鹿でした。」
「くはっ……」
「アタシ、尸魂界と現世の行き来は自由にできるようになったものの、ここでの立場はなんもないんッス……アンタを殺しても失うものなんて、」
そう言って顎を蹴りあげた時、六ノ宮の斬魄刀が手から落ちた。その瞬間、身体が操られている感覚が無くなり、九曜縛の圧迫感だけが残った。
「これを解いて!!!!」
そう叫ぶと平子さんが縛道を解いてくれた。
右手で首を抑えながら喜助さんよりも前方へ出て六ノ宮黎明に刃を向けた。
「私の能力、借りたのだから、物理的な利子をつけて返してもらいます。」
私の斬魄刀が水月に変化する。その切っ先を額に付けた。
「それと、喜助さんにあんなことを言わせた罪は重いわよ。」
鞘から1滴の水が垂れて、額に消えた。
その瞬間、彼は意識を失った。