第51章 original~投獄篇~
「まさに、こいつが今話した通り、六ノ宮家は『貴族至上主義』の考えを持ち、過激派『純魄会』を率いていたのだ。」
貴族至上主義とは、貴族を含め尸魂界の中で生を受けた者達こそが優れているという思想だ。
―現世で人間となることは魂が穢れる、それを尸魂界で浄化する。よって流魂街の者は魂が不浄である。
この"尸魂界出身者の魂の不浄論"は、数百年前に比べてかなり薄れてはいるが、"貴族"と"流魂街出身者"との深層心理での無意識的な隔たりが存在していることから、かなり根強いものだ。
現世で言うところの肌の色、性別、住む地域などの差別と似たようなものである。
貴族至上主義を謳う幾つもの組織が、護廷隊から流魂街出身者を排除しようとする運動を起こしたことは尸魂界史や思想史で学ぶ。そういった組織は今では厳しく取り締まられている上に、流魂街出身者の死神が数百年前よりも多くなったことで、瀞霊廷全体で意識改革が起こり、今では陰に潜めている。
六ノ宮家が率いる『純魄会』は貴族至上主義組織の中でも過激派に分類される。貴族至上主義組織関連の事件といえば必ずと言っていいほどここが絡んでくるのだ。
彼らは 流魂街に住む者=穢れた存在だとし、高尚な組織である護廷隊……否、死神の居住地である瀞霊廷に入れるべきではないと主張し、運動している。
「『純魂会』……聞いたことあんぞ?……あぁ、確か、百年以上前に蓮美ちゃんを襲った奴らか。」
「確かに純魄会は蓮美ポインティを2回襲いました。1度目の奇襲は彼女を脅威と感じた藍染惣右介が、斬魄刀を利用し、純魄会のメンバーを操って起こしたのでしょう。最も、実行犯は彼の配下の者で、自首させられたにすぎません。2度目は純魄会そのものに催眠をかけて操り、彼女を襲った。敢えてその場に藍染がいることで、彼への不信を払拭したかったのでしょう。排除するよりもそちらの方が確実ですから。崩玉を持たない彼女を執拗に襲った理由はわかりかねますが……」
「おい待てや、なんでお前がそんなこと知ってんねん。アイツの能力は完全催眠、催眠には気付けんはずや。その話が本当なら、藍染から聞かん限りそんなこと、」
「私の斬魄刀の能力……あれさえあれば彼の斬魄刀が"流水系"でなく幻術系だとわかります。何故嘘をついているのかも、少し調べたらわかることです。」
