第46章 original~霊障篇~
「本当にそれで納得がいくのかよ。お前は俺の仲間を傷付けた、簡単に許すことはできないが、お前のことは救ってやりたいと思う。」
「救う……?」
「細かいことはわかんねぇけど、この村の為に自分犠牲にしたんだろ。お前がここの人を助けてきたんだ。だったらお前のことも救わせてくれよ。」
「気持ちは嬉しいが、もうこの体では……。救うことなんてできないし、長く生きすぎた。そろそろ休ませて欲しいんだ。」
斬魄刀を握る手に力が入っている。
「そう思うなら、自分で斬魄刀を折ってくださいよ。」
目を大きく見開いた。
休みたいなんていうけれど、心から思っているならば、自死を選ぶはず。彼は死を望んでいるのではなく受け入れているだけ。それは似ているようで全く異なる。
「私も貴方を救いたいと思います。命を救うことが出来なくても、納得のいく形で迎えさせてあげることは可能です。」
顔をくしゃっと歪ませた男は俯いた。
「自分はここの道祖神でも、神体でもない。"死神"です。死神として、戦いの中で死にたい-」
日が傾き始め、木枯らしの風に吹かれた落ち葉がカラカラと音を立てる。
「数百年ぶりだ、再び日に当たることができるとは思いもしなかった。」
彼は満足気な表情で空気を大きく吸っている。
「今、鬼道衆が此方へ向かっているとのこと。彼の言う通り、彼がなんらかの力で悪しきものからこの場を守っていたならば、死後にそれと同等の結界を張るとのこと。」
「で、総隊長は?」
「……それは自分で報告してくださいよー!怖いんですから!絶対怒られるでしょ!」
「だよねぇ。」
「ねぇ、ポインティちゃん、あたし双天帰盾を試して見てもらっていいんだよ?」
彼は管を通された病人のようで、ここを離れてしまったら、魂が消えてしまうそうだ。織姫さんは彼の回復ができるか試してみようかと提案してくれている。
「いや、彼は生きることは望んでない。私も人間的な感覚の方が強いから、彼には生きて欲しいけれど、ここで死神として死ぬことが、彼には一番のことなんだと思う。」