第46章 original~霊障篇~
「どうか、ご無礼をお許しくださいませ!!!」
「すぐにこの者を処罰します!!!!」
そう言って私たちに掴みかかろうとした者が眠りに落ちた。
「彼らと口を聞くのですか。」
『敵意は恐らくありません。』
そう言って出てきたのは花月だった。
『恐らく彼は、私と一緒。斬魄刀かと。』
「斬魄刀?」
そう言うと、巨体な身体から煙を吐きだした。
身構えていると、その煙の中から白い服を着た白髪の男性が現れた。
「同業者と話すのは……何年ぶりだろうな。」
彼の手には黄色い布が掛かった刀があった。
信者たちはというと言葉も出ない様子だ。
「……事の詳細を語ろう。これは、同志に伝えなければならぬことだ。」
彼はそう言って白い手を見つめ語り始めた。
死神の制度ができて間もない頃。
現世と尸魂界を繋ぐ道、断界の整備にかかっていた彼は事故により、現世の地へと降り立った。
今ならばすぐに捜索隊が来るだろう。しかし、現世へ赴くことが今ほど簡単ではなかったことや、場所の特定が出来なかったのだろう。彼に迎えが来ることは無かった。
いつか来るだろう捜査隊を孤独に耐えて待っていたある日、女性が虚に襲われている所を目にする。すぐさま退治し、その場を立ち去ろうとした時。その女性が自分の姿がはっきりと見えていることに気がついた。
孤独に飢えていた彼は彼女に声をかけた。
彼女もまた、自分の命を助けた彼に深い恩義を感じ、彼の孤独を癒すことで恩を返そうとする。そしていつしか女と死神の間に情が芽生え、そして子を成す。
この土地の有力者の末の娘であった女は、化け物の子を孕んだとして一族から追放されかけるが、女を特別可愛がっていた次期当主の長男の一声により、家に置かれることとなる。長男もまた見える人間であった。故に、死神の人柄に酷く感服し、妹との恋路を応援したのであった。
時は流れて、子は生身の肉体を持ちながら高い霊力を持った。
己の出自を理解して欲しいと願った男は子に尸魂界や死神の存在、鬼道を教えた。
子はその知識と力を活かして虚を退治する。
暫くするとその噂は広まり、子は村の人々から崇められるようになった。
優しく、勇敢であった子はその時から、力を過信し、傲慢になっていく。