第46章 original~霊障篇~
「余計なもの?」
「あんたらには見えんだろうから、結界を張れとのことです。」
「なるほど。わかった。」
「それから、壺の重さが変わったと言った者がいまして。」
「気のせいだろうけど、献上する時は気をつけろよ。」
彼らはそう言って会話をしなくなった。
「奥に行ってみますか。」
「だな。」
暗い石畳の道に足音が反響する。
「何か聞こえませんか?」
リンの問いに耳をよく済ませてみる。
「……確かに。」
輪唱のような声が微かに聞こえてくる。
「もっと先のようだな。」
「急ぎましょう。」
駆け足で向かうと突き当たりにぶつかった。
「壁の向こう側から声が聞こえる。」
耳障りなそれは石の壁の向こう側から確実に聞こえる。つまり、隠し扉などがあるのだろう。
壁を触っていると一護が声を上げた。
「ここだ、ここが開く。」
一護に言われたが、開くには注意するべきだろう。
「リン」
「一護、そこどいて。」
「おう、」
リンが僅かに扉を開けると、その声はこの廊下に大きく響く程のものだった。
向こう側の部屋に鏡を投げ入れてゆっくり扉を閉じる。
「私たちの姿が見えなくても、扉を開けて堂々と入る訳にはいかないでしょ。」
「なるほどな。」
「行きますよ!」
リンの術で壁の向こう側にある鏡に移動した。
そこには講堂のような空間があり、30人くらいの人間が、祝詞のようなものを輪唱している。
「内容が聞き取れない。」
「なんか、気分悪くなってくるな。」
「単純に酸素が少ないからでしょうねぇ。さて、この中に私たちが見える人間がいなきゃいいですけど。」
講堂の正面には祭壇のようなものがあった。そこにいくつもの木箱が置かれている。
祭壇の向こう側は緞帳のようなものが降りている。
「……ん?この言葉、聞いた事あるような。」
リンが顔を顰めたあと、はっと声をあげた。
「例の、霊力を奪う呪文ですよ!それを逆さから言ってるんです!」
「え、ほんと?耳を済ませてもそうは聞こえないんだけど。」
「きっとそうです!」
私たちは、ゆっくり歩きながら、祭壇に近付いた。
「どうしますか、記換神機使ってみます?」
「……花月、彼らを眠らせてくれる?」
花月に聞いてみると、反応が帰ってきた。
「……いや、それ私達も眠くなるやつですよね?」