第46章 original~霊障篇~
「貴方が彼らを連れてきてくださったのですね?」
「はい」
「感謝します。簡単にですが、ここの紹介をさせていただきますね。」
それはチャドさんから説明されていたものと同じだった。
ここでは黄印風園のセラピーが行われる。
リラックスできるから緊張を解いて欲しいとのこと。
エキゾチックな部屋でイランイランの香りがして、どこか懐かしみのある音楽が流れている。
「タイ古式マッサージに来たのかな?」
「それがなんなのかよく分からないが分からなくもない。」
霊力を奪われたと言う割には、チャドさんや隊士始めそう苦痛そうではなかったのはこのためだろうか。
「ロッカーの中にお手荷物を入れてください。身につけられているものを紛失された場合は自己責任となります。」
との案内があり、ショルダーバッグをロッカーへ入れた。
自分で暗証番号を決めるタイプのものなので、組織の人に盗まれる可能性は低い。
鏡だけ身につけて元の席に戻ったと同時に登壇したのは白い服を纏った20手前くらいの女性。
「本日はお集まり頂きありがとうございます。俗世の悪しき風に吹かれ体に満ちた陰気を吸い取り、活力が湧きますようこれよりセラピーを行わせていただきます。」
「はじまったね。」
「セラピー……癒してくれるってこと?」
「俺は寝てしまっていたから何をするか具体的には分からない。」
「寝てたの!?」
こんな空間でよくもまぁ眠れますな!
「では皆様、楽な姿勢をとってください。」
すると照明が落ちた。
組織の人がキャンドルに火を灯し始める。火が揺らめき、イランイランの芳香が香る。
音楽も落ち着いたものになり、水の音が心を癒してくれる。
これでマッサージでもしてくれたら本当に最高なくらいの雰囲気だ。
目を凝らして彼女の動きをよく見ると、首にかけた石を儀式台に置いて膝まづいた。
そのとき、どこからかそよ風が吹く。
「どうぞ、楽な体勢になってください。キャンドルアロマだけでなく、ほんのりと暖かい床が皆様を癒します。」
促されて寝転んでみるとなるほどこれは眠たくなる……
「寝るなよ?」
ダメだこれは睡魔との戦い。
「……このアロマキャンドル、導眠作用があるようだ。」
「だからねむたい」
枕をどうぞなんて言われて、掛け毛布まで渡されたらもう落ちるしかない
