第45章 故郷
「それに私が一緒にいたら、気を遣うでしょ?」
「まぁたしかに?」
「リンってば!」
「うそうそ!隊長に気を遣ったことなんてないですっ!」
「それもそれでどうかと思いますけどね?」
「涼風五席も鏡の前で待ってましたけど?」
「そうだった!」
レミリアちゃんも鏡に引っ張られてやってきた。
「あら、隊長たちも合流ですか?」
「その話は終わりましたっす。」
「なによ東雲四席。私聞いてないし。」
そう話しているうちも、すれ違う死神たちは隊長、副隊長、上官たちがたむろしているもんだから、わざわざ立ち止まって挨拶してくる。
「死覇装で隊長羽織着てちゃそりゃ目立ちますって!」
「そしたら、もうこの辺りでおひらきね。喜助さん、どこの店に行く?」
「この先に大工の家があったでしょ。そこに工具を買いに行きましょ。それから現世のものを売ってるところもみましょうか。」
「それなら、僕達と方向は同じですね。」
なんやかんや言いながら歩き始めて数分。真央霊術院の生徒がちらちら見える。
「授業再開したんすね」
「藍染のことがあって暫く休校だったみたい。今月は午前中授業らしいけど。」
「いやああの制服、懐かしいねぇ!」
「リンとレンは、卒業したの最近でしょ。私なんて100年も前なのよ。」
「案外オバサンだよね〜見た目幼いのに。」
「隊長、始解の許可を。」
キャッキャ話すものだから、目立ちすぎるし、学生達も私たちに土下座せん勢いで挨拶してくる。
「あれはまだ1年とか2年とかかな?顔売っときたい学年は特に厚かましく話しかけてくるでしょうね〜。」
「隊長視察も時期がズレ込むみたいっす。最高学年にとっては今、隊長がここにいるのはまたとないチャンス。ほら、言ってたら」
「失礼します。一番隊長の佐伯ポインティ殿とお見受け致します。」
案の定、男子2人組が走ってきて名乗り始めた。曰く、最高学年だと言う。
「自分達はこの戦いでは寮生活を送る後輩のまとめ役に抜擢されました。」
「一番隊は新設された精鋭部隊と聞きます。貴隊に入隊できるよう精進します。」
同時に頭を下げた。私は記憶に遠くない高校受験の面接練習を思い出して身震いした。
「最高学年になると大変ですね。私もついこの前まで受験生でしたから二人と同じ立場です。」
「二人の場合は就活に近いっスけどね。」
