第45章 故郷
現世から掃除道具等を持ってくるにしても、100年近く手付かずの家だ。ただの掃除だけでは済まない。それに、今度二人でここに来れる日がいつになるかわからないので、今日のうちにできることをしようという話になった。
「そうと決まれば、瀞霊廷の商店街に行きますか。ポインティサンはお留守番します?」
「Gとか出そうじゃない?落ち着かないから一緒に行くわ。」
「虫なんかでビビる人が、虚とよく戦えますね〜。」
「それとこれとは別でしょ!」
家を出て、ここから一番近い真央霊術院を有する区画の商店街へ入った。
「いやぁ、賑わってますね。」
「いまこの状況で瀞霊廷の外の任務が増えたからここで必要なものかったり、腹ごしらえする死神が多いのよ。学校も近いからみんな勝手がわかってるし。」
すれ違う死神が私を見つけると立ち止まって会釈する。そして私も深々と会釈をし返す。
「慣れないわ……。私がいたら他の隊員たちの気が休まらないかな?私も変に気が張るわ。」
「うんうん、わかりますよー。副隊長になってから、漬物の試食でお腹膨らませることできなくなりましたもん。」
「いやいや、そんなことするのはリンくらい……」
しれっと私の横に並んで歩く金髪の少女。私にとって一番近い部下のリンだ。
「何よ急にびっくした!」
「隊長こそ!仕事投げてデートなんて許せません!」
「リン! 隊長は非番なんだって。」
レンが近くの鏡からひょこっと出てきた。
「昼ごはんは、久しぶりにこの先にあるうどん屋に行こうという話になって。移動先におふたりを見つけた途端、リンが走って行ってしまったんです。東雲四席、こっちですよー!」
東雲四席も彼らとご飯に行くらしい。
「よいしょっと、って、隊長たちも合流なんですか?」
「たまたま見つけたから茶化しに来ただけ〜。あっ、天月ちゃん、昼どこに行くの?そしたら、私らとご飯いこーよ!じゃ、その窓ガラスに向かって走ってきてー!」
リンの持つ鏡から天月ちゃんも出てきた。
「なんで浦原喜助がいるんですか!?」
「先程ぶりです、蓬莱サン。」
「浦原喜助がいるなら余は帰る!!」
「随分嫌われちゃってますね〜。」
「天月ちゃん、私たちはたまたま居合わせただけ。皆でご飯行ってきて。」
「えー!隊長行かないの?!」
「買い物しに来ただけだもん。やることあるし。」
