第42章 テセウスの船
「そうっすね、テセウスの船は周りがそれをテセウスの船だと名付けて認識しているわけですから、周りがそうだと言えばテセウスの船だと言えると思います。」
「じゃあスワンプマンだったら?」
「スワンプマンの場合、雷に撃たれて死んだ男の所謂、コピーが泥の中から生まれたってことッスよね。そのコピーが自分を男Aだと主張するならば男Aとして認識してもいいと思いますが……同一人物かと言われたらどうでしょうか。」
「そう…ですか」
少し俯くポインティ。
「こんな考え方もできます。男Bの肉体は男Aのコピーだが、魂は男Aのものである。そうだとしたら、男Aと男Bは同一人物じゃないッスか?ほら、漫画であるでしょ?鎧に弟の魂を繋ぎ止めてるアレ。アタシ達だから言えますが肉体なんてただの器に過ぎませんからね。」
「じゃあ、変な話 男Aの魂が別の人間の肉体へ移ってしまったらどうです?外見は全く違う、でも中身は男Aです。」
「さっきも言いましたが、肉体は器に過ぎません。魂が男Aであるなら、たとえコピーになろうと、別の身体になろうと、鎧になろうと男Aだと思いますよ。男Aが自分を男Aだと主張するなら。」
「肉体は器」
「テセウスの船は外見が同じで中身が限りなく本物の別物。それでも周りがテセウスの船だと言うならばテセウスの船だ。スワンプマンのように自分が本物だと主張しテセウスの船のように周りが同一だと認識するならば原種と同一と考えられます。」
ポインティが難しそうに考え込んでいる
「まわりくどい聞き方しなくてもいいじゃないッスか」
貴女が聞きたいことはもうわかってますよ。
「……喜助さんは私と蓮美ポインティは同一人物だと思いますか?」
外見、性格、能力、記憶、そして魂まで同じ
「アタシは貴女を初めて、あの空き地で見た時からポインティだと思ってました。」
買い出しの最中に感じた虚の気配を辿って向かった空き地に現れた貴女
最初はアタシがいなくなってから死神になったのかと思いましたが、それにしては幼くなっているし、アタシの顔を見ても何も言わないので、ポインティのそっくりな方だと思いました。
若しくはポインティは既に誰かと結婚し、その娘なのかとも思いました。