第40章 過去編 ~髪飾り~
薄暗い部屋で砕蜂さんや何人もの隠密機動に囲まれていた。しかし、よくよく見ると、その隠密機動は喜助さんの元部下の方たちだった。
「四楓院隊長から重要参考人として尋問するようにと我々に命が下りました。安心してください、ここは安全です。」
と温かいお茶を出される。
彼らは本来看守の業務のはず。捕らえることが仕事ではない。しかしそれを彼らに任せたのは夜一さんの優しさだろうか。
「あの、喜助さんは……なにをしたのですか」
皆が黙る
「砕蜂さん、隊長は一体どこにいるんですか」
「私にもわからんのだ。」
長い時間のように思えた。誰も何かを聞くわけでもない。私は事の大きさが膨大でキャパを越えてしまい、何も考えられなかった。
突如、部屋の扉が開き、夜一さんが入ってきた。
「夜一様!!」
「時間が無い。ポインティ以外はこの部屋から出ろ。」
私の向かいの椅子に座った。
「ですが、」
「はようせえ!」
彼女の一声に慌てて皆が退出した。
「急な事で驚いたことじゃろう。」
「喜助さんは、」
「無事じゃ。しかし、それ以上は言えん。」
「どうして!!」
「時間が無いから黙って聞け。 お主には喜助について尋問するように上から達しが出てる。もちろん、儂にそんなつもりはない。尋問という名の保護じゃ。しかし…儂も恐らくここを離れることになるじゃろう。」
私はその理由について察した
彼女は喜助さんが無事だと知っている。居場所を知っている。つまり、査問の際に乱入し喜助さんを助けたのはー
いつまで小細工が通じるか分からない。逃亡の手助けをしたのは間違いないのだから。
「そうなればお主の絶対の安全は保障できん。もしかしたらこことは別の組織にお主を引き渡すことだってあるかもしれぬ。もし今、彼奴がどこで何をしているかについて話せば…お主はこの件の関係者になってしまう。だから儂はお主に喜助が無事であること以上の事は言えん。」
私は俯いて聞いていた
「…二度と喜助はこの地を踏む事は無い。その意味、わかるな?」
私と会うことは二度と無い。
「喜助からの伝言じゃ。"簪の修理、間に合わなくてすいませんでした。身体には気を付けて"…ったく他にもっとあるじゃろうに…儂とていつまで自由に動けるかわからん。今のうちに伝えることがあれば伝えておくぞ。」