第38章 過去編~鍵~
「これはある種の鬼道です。」
喜助さんは案外早く私の魂魄を戻す方法を見つけてきた。
「分断された魂魄は、近づけると元に戻ろうと反応します。その魂魄を貴方自身の魂魄に近づければ、勝手に戻るでしょう。」
そう言って喜助さんは羽織の袖を捲った。
「身体も魂魄も傷つかないようにはなっていますが、苦しければ言ってください。」
喜助さんは瓶の蓋を開けて光る魂魄を掴んだ。
すると、右手が光出した。
それは触手のようにウネウネと動く。
「えっ……気持ち悪……」
「ですよね……」
喜助さんはウネウネで私の魂魄を持ち、そのまま私の心臓部にウネウネを向けた。
ウネウネは体内に入っていく。
「大丈夫ッスか?」
「大丈夫。」
「はい、もう終わりッス。」
喜助さんの腕は元に戻っていた。
「……あったかい。」
「一応、この機械でちゃんと戻ってるか見ましょう。」
魂魄を数値化する機械を持ってきた。
「おおおい!!お前!今から席官会議やろ!!!席官みんな待っとんねん!!」
ひよ里の怒号が聞こえた。
「あれれ?そんな時間っスか?」
「は、早く行ってあげて!身体あったかくなってきたし、元気になってきた!もう心配ないよ!」
「すいません、いってきます。……ひよ里さん、すんません、どこっすか〜僕、会議室行きますねー!」
私は身体が温まり、霊力もじわじわ戻ってきた為、立ち上がり、隊舎を出た。
真央霊術院に行って、先生方に明日から出勤するって言わないと。
「もう身体は大丈夫なん?」
道で会ったのはギンだった。
「久しぶり!えぇ、大丈夫よ!」
「ほんなら良かった。」
「ギンは今なにしてるの?」
「散歩や。ついでやし、そこまで送ろうか?」
「本当に?真央霊術院まで行くの。ついでだし、近くのお茶屋でなにか奢るよ。」
「それは嬉しいなあ。」
ギンのガールフレンドを揶揄ううちに、学校まで着いた。
「どこの茶屋がいい?」
「ちょっとボクについてきてくれる?」
ギンのおすすめがあるなら尊重しようと、彼について行った。
角を曲がった先は閑散とし、お茶屋があるように見えない。
「ギン、迷ったー?」
そう言うと、彼はゆっくりこっちへ向いた。
「御免な」