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【BLEACH】

第38章 過去編~鍵~


「大したものは出せませんが、お酒だけはありますので。」

リカちゃんを休ませて、解散した後、チエ子さんの提案で二人の家にお世話になることになった。

貴女も霊力があるなら、空腹ですよね?とお酒と、漬物と、白ネギを煮たものを出してくれた。

「とても美味しそうです。いただきます。」

「貴女は第一地区の方ですよね?」
「元は違います。」
「え?」
「あれはどこだったんでしょう。閑散としていて、砂ぼこりが立ってて……男は賭け事に明け暮れ、女は家にこもって……。食べ物なんて山に行かないとありませんでした。お腹がすいて、家で倒れてたら、父親に腹が空くなら、金を潰すだけだ、なんて言われて。……お金で食べ物を買えるような所でもなかったんですけど。それで売られたんです。」
「売られたんですか?」
「その時、たまたま第一地区の側を……あぁちょうどあの山林だと思います。あそこを歩いていたら虚に襲われたので、みんな逃げてしまって。道端に座っているところを、拾われたんです。」
「やはり、霊力があるというのは不便なのでしょうか。」
「生きにくいかもしれません。」
「そう、ですか……。」

チエ子さんは俯きながら語り始めた。


「リカとは、ここに来てからの家族なのです。生前、私は子どもが産めない体で。どんなに望んでもダメでした。あの娘は1歳の時に、衰弱死したそうです。うちへ来た時、生前の事もあって、本当に嬉しかったんです。私が育てるんだって。」
「愛情をもって育てられたんですね。」
「死んでから子育てできるなんて思ってなかったですよ。」
「そうですよね。」
「……でも、あの子は霊力がある。私じゃあの子を十分に養えない。あの子も、山に食べ物を取りにいってるんです。」
「……リカちゃん、霊力が高いのなら真央霊術院への受験を勧めてみたらいかがですか。」
「それはつまり、死神ですか?」
「はい。」
「……でも死神って……野蛮というか」
「そのような死神ばかりじゃないです。優しい方ばかりですよ。」
「……リカに任せます。」
「もし、リカちゃんが死神になることがあれば、私がお世話しますので。」
「頼もしいですわ。……すみません、もうこんな時間。お布団……と言ってもこんな布キレしかなくて。」
「ありがとうございます。」

チエ子さんは食器を片付け、そのまま部屋を出ていった。

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