第38章 過去編~鍵~
道から逸れぬよう歩いていると、
原っぱから野犬が飛びだしてきた。
「いぬっころ!あっちいけ!」
村の人が棒を振り回して追い払った。
「へへっ、こんくらい!」
「そろそろ捜索範囲を広げましょう!東に広がるように並んで、皆でリカちゃんの名前を呼びながら歩きましょう!」
「おう!!」
男達が活気づいたその時、
「お、おい!なんか来たぞ!」
向こう側から灯を持った人影が複数近付いてくる。
「な、なんだなんだ」
よく目を凝らして見ると死神だった。
「お前ら、そんな所で何してる!」
「し、死神だ!」
「お、俺たちゃべつに!」
「ついさっき、霊圧の震えを感じ、向かってきたわけだが……」
どこの隊か分からないが小部隊のようだ。
二番隊、四番隊と十一番隊、十二番隊ではない。
死神側の青年が顔を出した。
「……あんた、真央霊術院の鬼道の講師じゃないか?」
一人の死神が私を指さした。
「お前、死神だったのか。所属はどこだ。」
「いや、四楓院隊長の推薦で来た特例の講師っす。」
「あぁ、あぁはいはい、東雲、お前が前に若い奴らと噂してたのを聞いたことあるぞ。死神じゃないが、鬼道を教えている講師がいるって。」
私は頭を下げた。
「真央霊術院、鬼道講師の蓮美ポインティです。」
「姉ちゃんさっきのあれは、死神の力なのか?」
「はい。皆様が感じられた霊圧の揺れは【天挺空羅】によるものです。お騒がせ致しました。」
「……で?その先生がどうしてここに。」
小隊長らしい死神に、リカちゃんの事情を説明した。
すると、死神側の空気が重くなった。
「……実はな、この辺の人間の魂魄が消失する事件があってな。」
「え?」
「虚に襲われた形跡も無し。……何年か前から続いていてな。」
「じゃ、じゃあリカちゃんは!!」
「消えたってのか!!!」
「いいえ、先ほどの天挺空羅で、彼女の霊力を捉えました。」
男達は死神たちに頭を下げた。
「頼む!リカちゃんを見つけてやってくれ!」
「そう言われてもな……こっちも調査があるんだ。」
「そこを何とか!」
「そのガキを見つけたら声はかけてやるが……」
「探してください、」
「ここは引きましょう。」
「姉ちゃん!!」
「この人達にはこの人達の仕事があります。無理は言えません。」
「そんな……」